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コロナショック!恐怖や不安との付き合い方

こんにちは。

爽一郎です。

 

コロナウイルスは恐ろしいですね。

 

私も、会社で緊急対応やらが増えて精神的に疲弊しております。

加えて自粛ムード。コロナ疲れですね。

 

コロナウイルスは恐ろしい。

とは言いましたが、厳密には、コロナウイルス自体よりも、その社会的影響が恐ろしいです。

人々を不安にさせ、普段取らないような行動をとらせる。

 

 

先日、こんなつぶやきがTwitterでバズっていました。

t.co

 

マスクがないからと罵倒してくる人々に、ドラッグストア店員はさいなまれていると。

ドラッグストア店員としては、コロナよりも怖いのは人間だと思います。

という一言に、全てが現れているように思えます。

 

まぁ、こういう客の割合は少ないのだとは思いますが、今回は影響対象の母数が多いので数も多くなっているのでしょう。

 

なぜこうも不安や恐怖は人の行動を変えてしまうのでしょう。

コロナに限らず、ネガティブな感情は人をおかしくします。

我々はどう対応すればよいのでしょう。

 

■不安は恐怖は人を不合理にする

不安になると、ストレスがたまりますよね。

特に今回のコロナのような、自分でコントロールできないことはとても人間、ストレスになります。

 

以前、下記の記事で話題にしたことがありますが、人は自分でコントロールできない環境におかれると、大きなストレスを感じます。

bonzinkun.hatenablog.com

 

コロナでみんな不安なのです。

どうすればよいかわからない。

だから、コントロールを少しでも取り戻そうと、自分でできることをしようとする。

それが、予防のためと信じてマスクを買いに朝からドラッグストアに並ぶマスクを買うことだったり、26度でコロナウイルスが死滅するというデマを信じ、良かれ思って広めることだったりするのです。

 

不安でたまらないときは不合理な行動をとってしまうことは、感覚的に皆さんも想像がつくかと思います。

不安や恐怖という感情の前には、論理的な説明や事実なんて、とても働きが弱いのです。

 

そんな例を出しましょう。

下記は、主な死因のトップ10と、良く知られた恐怖症のトップ12です。

海外での調査結果なので、日本人にはなじみのない恐怖症もあるかもしれませんが、そこは大目に見てください。

 

本『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』より引用

 

人を死に至らしめる要因は、主に病気。心疾患やガンです。ですが、恐怖症にそれらに関連するものはありません。

心疾患やガンといった実際に人を死に至らしめる要因よりも、年間アメリカで6人しか死者をだしていないクモを感情は恐れるのです。

心疾患恐怖症やガン恐怖症なんて聞いたことないですよね。

クモ、ヘビ、高所などは自分で対象物に近寄らなければ良いという点でコントロールができ、直感的に恐怖しやすい。

一方で、病気は将来的なリスクであって、直感的に理解しづらいです。何をコントロールすればよいかがイメージしづらいので、自分のコントロールの外という感覚もありません。

よって、恐怖は感じにくいのではないかと私は思っています。

 

認知神経科学者のターリ・シャーロット教授が書いた本『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』には、他にもこんな例が書かれています。

ある映画監督が飛行機恐怖症で、あらゆる手を尽くして関係者は克服させようとしたらしいのです。

 

関係者はあらゆる手を尽くして彼を搭乗させようとした。だいたい、シドニーまで長距離飛行を行うよりも、空港から自宅まで自動車で帰るときの方が事故死する確率は高いのだ。実際、墜落事故で死亡するのは年間一〇〇〇人ほど(確率にしておよそ一一〇〇万人に一人)であるのに対し、交通事故死は約一二四万人(五〇〇〇人に一人)だ。その数字のことは十分認識していたマックGだが、それによって神経が鎮まることはなかった。どうしたって飛行機よりも自動車に乗っている方が安心なのだ。恐怖は感情であり、感情は事実によって簡単に手なずけられるもので はなかった。

 

恐怖や不安に支配されていると、どんな事実でも人の不合理な行動は変えられません。

 

前頭葉使え

じゃあ、恐怖と不安にはひれ伏して、あきらめろっていうの?というとそうではありません。

ターリ・シャーロット教授は同書の中でこんな実験もしています。

 

知能レベルが似通った生徒を5名集め、テストを受けさせたのです。

 

しかし今回はちょっとした仕掛けを施し、試験を受けているあいだ、グループ内における現在の自分のランクが表示されるようにした。序盤、学生たちの点数は急激に下がった。社会的な屈辱を受けることへの不安や競争へのストレスが、明晰な思考力を阻害したのだ。ところが試験が進行するにつれて、アルバートとローリーだけは不安を振り払い、目の前の課題に集中できるようになった。そのうえ、他の学生よりも良い点数を取ろうという意欲が高まり、最終的なスコアはかえって上昇したという。一方、残りの生徒は回復できず、前回より低いスコアに終わった。

テストを受けている学生たちの脳活動は記録されており、研究チームはアルバートとローリーがなぜ他の学生と違う反応をしたのかを調べるため、二人の脳画像を観察した。そこから読み取れたのは、脳の二つの部位──扁桃体前頭葉の活動が決め手になるということだ。これまでの章でも述べたように、扁桃体は恐怖などの感情や社会的信号を処理するのに重要な脳の深部構造である。前頭葉は様々な機能のなかでもとりわけ、計画立案や高次の認知活動、そして感情の抑制に欠かせない役割を果たす。最初は全員の扁桃体の活動が高まったが、アルバートとローリーについては急速に活動が低下し、その代わりに前頭葉の働きが活発になった。おそらく彼らは意識して恐怖を手なづけ、目の前の仕事に集中したのだろう。

 

不安に打ち勝ったアルバートとローリーは、前頭葉、すなわち論理的な分野をつかさどる脳が活性化していたのです。

前頭葉で考える、ということが不安の克服につながるのです。

 

前頭葉で考えるって…?

どうやったら前頭葉をつかえるのさ?

それは、私の経験上、書くという行為が助けてくれます。

 

■書くと明確になる

書くというのは良いことです。

言語は前頭葉が司っています。

考えを書く、つまり言語化するという行為は、そのまま前頭葉を使う行為なのです。

思うことを書き出すだけでも、アルバートとローリーのように恐怖や不安を乗り越えやすくなるのです。

 

何に不安を覚えているか?

何をしているときに不安を抱くか?

 

私はそんな質問を自分に良く投げかけます。

とにかく私も最近は、疲れると心情を書き殴っています。

根本原因が分からないとしても、書いたあとは少し気分がマシに。

人間、前頭葉をつかって言語化するだけで気分が落ち着くのです。

 

さらに、書いていくといくぶん物事を明確にとらえることができます。

もやもやを言語化する際に、前頭葉で整理がなされます。

分からないことはコントロールできないことだから、不安を感じる。

明確になるだけでも、気分は落ち着くものです。

 

事実が明確になるだけで気分が落ち着くということについては、以前こんなことがありました。

 

ある業務の担当が転勤するということで、私はその業務を引き継ぎました。

引き継いで半年たったころ、前任者からの引継ぎでうまく情報共有できていないことがあり、私は知らないところで問題がおきました。

具体的には、その業務の予算が予定よりもめっちゃ使われている。

お金に関することなので、結構な問題になったのです。

私は引き継いだ通りの業務遂行をしたはずなのに、なんで予算消費がそんなに多いのかが分からず、「???」な状態でした。

 

結果、「なんでこんなことになってるの?」と上司に詰め寄られたわけです。

 

引き継ぎミスは自分のせいなので、とにかく対応しました。

やったことは、事実の確認です。

徹底的な確認。

前任者に経緯を再度聞いたり、曖昧な部分は過去の文書のやりとりから前任者がどんな理由で何をしたのかを調べたのです。

結果、なぜ今の状況になっているかが明確になりました。

 

正直、事実を知ったところで過去の予算が戻って来るわけではありません。

が、事実が分かったことで上司も私も落ち着くことができたのです。

納得感と言うやつです。

 

それに、事実が分かれば対策もとれますしね。

 

とにかく、不安なときは事実を確認すれば気は楽になる。

人から押し付けられた事実では納得できないことは飛行機恐怖症の映画監督の下りで説明しましたが、自分で前頭葉を使いながら明確にすると、話は違います。

アルバートとローリーのように、自分で自分を納得させる。

 

それを手軽に行えることが、書くということなのです。

 

コロナのように先が見えない時、事実が混とんとしているとき。

不安は人を不合理な行動へ走らせます。

 

それは不安がなせることなのだと、冷静になる。

自分で自分を落ち着ける。

それがドラッグストアの店員を救うことになるのでしょう。

 


★終わり★