こんにちは。
爽一郎です。
コロナでお家生活。
とにかく、ITの恩恵を感じます。
仕事もITを使ったテレワークですし、プライベートでもWeb会議の仕組みを使ったオンライン飲み会やボードゲーム会、オンライン帰省。
先日記事にしましたが、リングフィットアドベンチャーという運動をするためのゲームもITの力です。
それらがなければ、この自粛生活はもっと大変なものになっていたでしょう。
多くの人が、その恩恵を同じように感じていると思います。
だからこそ、アフターコロナの世界は、ますます多くの人がITを使う世界になるでしょう。
もともと我々の世界に入り込んでいたITが、加速して入り込んできた。
そんな気がするのです。
逆に思うのが、それを使えない人はどうなるか、ということ。
■とにかく人と話したい症候群
コロナ渦の中でも、私は1週間とか2週間に一度は出社しています。
全国的に緊急事態宣言が出ていた最中でも、どうしても出社して仕事しなければならないことがあります。
私は出社がてら昼ご飯をある中華料理屋で食べたのです。
その店では、ほとんどテイクアウト待ちの客ばかり。
そして、逆に店内はガラガラでした。
まぁ、そりゃそうでしょう。
ガラガラだったので、感染リスクは低いかと思って入店し、チャーハンとレバニラを注文して待っていました。
その中で、一人、初老の男の客が何やら店員と話していました。
その客は私と同じくイートインの客。
店員に注文をしていたのだと思うのですが、いろいろと店員に話していました。
「10年前はランチのセットメニューあったのに、今はないの?」
「一人暮らしだから、料理作るのめんどうでね」
「持ち帰りの人多くて、全然料理出てこないじゃん。大変だね」
などなど。
大変だと思うなら話しかけるなよ、なんて私は思いながらその光景を見ていました。
なお、クレーマー的な人ではなく、ただただ店員に話かける客という印象。
いや、人と話したい、という印象を受けました。
もちろんその客の詳細は、正直私には分かりません。
でも、服装からすると完全に家着で、仕事をしているという感じではありません。
おそらくは、家から外にご飯を食べに来たのでしょう。
そして一人暮らし。
その時に、ふと思ったのです。
その男性が、もし家に一人で、かつオンラインで誰かと話すようなITリテラシーもないとすれば。
昼ご飯に店に来て、店員と話す。
それぐらいしか人と会話するチャンスはないかもしれません。
店員に話しかけたい、というのは無理もないのかもしれません。
もちろん、私の考えすぎかもしれませんが、そんな人はきっとたくさん世の中にいるんだろうな、と思ったのです。
私は家族がいます。
コロナの渦中でも、幸いなことに直接会って話せる人がいます。
ですが、それ以外にも話す機会は結構あります。
冒頭で書いたようにオンライン飲み会もありますし、テレワークでも人と話しますし、雑談もします。
コロナでも、人と話すことは多いのです。
が、ITがなければどうなっているか。
家族との会話がほとんどでしょう。私の場合はそれで救われているかもしれません。
…独居の人は…?
■ITリテラシーがないと、迷惑な人になる
独身の同僚が言ってました。
家族がいるって良いと。
このコロナの中でも話す相手がいるという点で。
誰とも話せない人は、外へ出て会話できる人々を探すしかありません。
ですが、この状況下では限定的な状況しかありません。
例えば中華料理店。
オンラインでつながれば、離れた家族と会話もできます。
知り合いと世間話をすることもできます。
ですが、ITに疎くそれができなければ、中華料理屋の店員に忙しい中迷惑をかけることになります。
市役所で働く友人によれば、給付金がオンラインで申請できず、市役所に駆け込んで「今すぐよこせ」と文句を言う人もいると言います。
ITリテラシーがなければ、他人にコストを支払わせるような行為をすることになります。
これは個人の話だけではありません。
Web会議ができないという理由で、面接にわざわざ来いと言う、そんな企業の例もあります。
私の知り合いは良く、両親から楽天やアマゾンで何かを買うことを依頼されると言います。
その際に、商品のURLのコピーができないから、商品名を電話で話してくるとのことです。
電話で聞いた商品を検索し、同じものかを確認して買うのが大変とぼやいていました。
ITリテラシーの低さによる迷惑というのは、程度の差はあれどいくらでもあるものなのです。
両親ならともかく、他人にコストを支払わせる行為を行う人は、「迷惑な人」です。
もしITが前提となる世の中がもっと加速すれば、ITリテラシーは前提となった社会になります。
サザエさんのマスオさんや波平さんの会社のデスクにはパソコンはありません。
昔はなかったということですよね。
ですが今、パソコンなしに働く人はほとんどいません。
仕事をする上でパソコンを使えないなんて「迷惑な人」です。
パソコンのように当たり前になるITは増えます。
少なくとも、Line、Zoom、Google Meet、様々なオンライン会議は、その一つになるでしょう。
それを知らない人は「迷惑な人」になるのです。
■だが、そんな人がいるということは認めるべき
コロナでこれまでにないほどの勢いでITを使わざるを得ない世界に放り込まれた社会になりました。
その爪痕は、きっと残ります。
もはや、ITは知れば便利になるという類のものではないのです。
知らないと生きづらい。
ただ、これは若者はスマホが使えて、高齢者は使えない、という単純な話ではありません。
新しいものを知るというのはしんどいものです。
過去、祖父母と話す際にはこんな言葉を良く聞きました。
「この歳で新しいことを学ぶなんて、私には無理だ。」
スマホも覚えるのはしんどい。
そういうものだとは思います。
高齢者でなくとも、新しい仕事、新しいチャレンジ。
そういうことは面倒でなかなかできないのが人間です。
私もITのことはそこそこ知っていますが、他の分野になれば、新しいことをするのが億劫です。
マイナンバーもなかなか申請しなかったし、中国語覚えたいなとか思いつつも全く勉強しないし。
そう考えると、新しいものに触れようとしない人がいることは、当然なことなのだと思います。
ITリテラシーがない人を置いてきぼりにする社会が良いかと言えば、そうではありません。
オンライン学習が物語るように、家庭のIT環境やリテラシーによって教育に格差がでるようなことは防がなければなりません。
ITを知らない人にも優しい世の中。それが理想です。
だから、簡単に、直感的に使える技術を技術者は考えています。
らくらくフォンなんてのは、その典型ですね。
そんな風に、「迷惑な人」を無くすために優しさを持ちたい。
前述の中華料理屋の客は迷惑な人のように思います。
ですが、そんな人をさげすむのではなく、なくすにはどうすればよいか。
そんなことを考えられる人間でいたいのです。
上から目線かもしれませんが、IT業界に従事する人間としては、ITを知らない人を不幸にする世の中にはすべきではない。
何かを知らないからと言って「自己責任でしょ」と切り捨てる人間にはなりたくない。
何かを知ろうとしたくとも、どうしてもできない人が、それぞれの分野にいるのだから。
★終わり★