凡人が成果を出すための習慣

習慣定着コーチが、凡人が成果を出すための習慣をつづる

リスクは取りたくない。でも現状を変えたい。

こんにちは。

爽一郎です。

 

なんだかんだ言って、大きなチャレンジやリスクをとることは、やりづらい。

めんどくさいし、怖い。

 

私はそう思います。

 

大きなことはしんどいけれど、現状をどうにかしたい。

そんなわがままをかなえるには、小さなチャレンジ、というモノが役立つ。

今日はそんなお話です。

 

■みんな、リスクのない行動を求めている

私はコロナ自粛入りかけの頃にNintendo Switchを購入しました。

 

子供が生まれてから、いわゆるビデオゲームからは遠ざかっていたのですが、手元に最新機種が入ってきたのです。

何時間もゲームする!ということはできないですが、子供が寝た後の時間にゲームをするようになりました。

 

そんなこんなで1か月前ぐらいにクリアしたゲームがあります。

 

ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』

 

 

簡単にゲームを説明すると、リンクという主人公を操作して、広大な世界を冒険しながらゼルダ姫を助けるために厄災ガノンというボスを倒す、という内容。

いわゆるアクションRPGというカテゴリのゲームです。

 

従来のゲームと違うのが、とてもゲームの自由度が高いことです。

ほんと、どこでもいける。

いきなり最終ボスのところにいくこともできますし、物語と関係ないレアアイテムを延々と探し続けることもできます。

障害物はあっても無理やりよじ登ったりできますし、高い山からグライダーで飛び続けることもできます。

従来のRPGというモノに比べると、制限があまりないゲームなのです。

 

なんでもできちゃうなぁ。そんなことを思いながらゲームをプレイしていました。

非常に面白いゲームです。魅力は自由度以外にもあるわけですが、このぐらいにしておきます。

 

他にNintendo Switchのゲームでバカ売れしているもの。

 

『あつまれ どうぶつの森

 

 

私はプレイしたことはありませんが、知り合いによるとこれまた自由度の高いゲームとのこと。

ゲームの趣旨は「ローンを組んで家を建て、借金を返していくゲーム」ということで、なんじゃそりゃ、と思いました。

が、借金も返し方も様々だし、家の建て方もいろいろ。

そのへんの自由さをお手軽に味わえるのが楽しい。

とのことでした。

 

 

両ゲームとも、かなり売れています。

こういった、やけに自由度の高いゲームが人気なのかもしれません。

 

 

その昔、某巨大掲示板で「もっともっとなんでもできるゲームがしたい」なんて書き込みがありました。

その掲示板のレスとしては、「表へ出ろ」という回答でした。

要は、人生が最も自由度の高いゲームだよ、という回答ですね。

 

まぁ、リアルの生活がゲームよりは自由度が高いと言えば、それはその通りでしょう。

とれる行動の選択肢、という点では間違いありません。

 

が、リスクを伴う行動の自由度、となると話が変わってきます。

ゼルダの伝説では高い山から飛び降りることはできます。

ですが、リアルな世界では高い山から飛び降りるには経験も道具もいるでしょう。投資がかかりますし、命の危険もあります。

そもそも山に登る事すら人によってはリスクです。行きたい場所に行く、なんてなかなか簡単にはできないのです。

 

どうぶつの森では、簡単に家を建てられるかもしれません。

虫取り、魚釣り、農業、いろいろなことが指先だけで簡単にできます。

が、リアルな世界ではそれ相当のコストがかかります。

畑を耕すのも面倒、金はかかるし労力もかかります。

 

リアルな世界ではゲームの世界と違い、リスクやコストが必要なのです。

もちろんゲームでもゲーム内におけるリスクやコストは必要でしょうが、リアルな生活には影響しません。ゲーム内で完結する。最悪リセットしたらいいわけですから。

 

掲示板の「もっともっとなんでもできるゲームがしたい」というのは、リアルな世界ではリスクがあってできないことをもっとできる世界が欲しい。

そいういう意味だったのだろうと、私は思っています。

 

人間、リスクやめんどうなコストなく、何かがしたいのです。

ゲームは時間というコストはかかるものの、リスクはほとんどありません。(ゲーム依存を除けば)

 

現実は厳しく、基本的にリスクを取ることなくリターンを得ることはできません。

今勤めている企業に不満があれば、大きな変化を得るにはリスクをとって起業するか転職するしかないのです。

 

ですが、人間、リスクは犯したくないものです。

 

普段できないことはしたい。

でも、リスクは取りたくないし、コストはかけたくない。

 

そんな人にとって、いろんな行動ができるゲームは、チャレンジを疑似体験させてくれるものなのだと思います。

決してリアルな体験ではないものの、欲求を埋めるには上々なのです。

 

■変わりたいけど変わりたくない

なぜ、リスクはとりたくないのに変化や刺激を求めるのか?

 

私は、こう考えています。

 

人は、変わりたいけど変わりたくないという矛盾を抱えている

 

 

 

例えば、望むならば収入は上がって、環境はそのままが良い。

悪いことだけ変わって、良いことはそのままでいてほしい。

 

それが皆が抱く気持ちです。

 

でも実際、転職して収入が上がったとしても、他の点はマイナス要素があるかもしれません。

環境や仕事内容が変わってストレスが増えるかもしれない。

こういう、何が起きるかわからないものをリスクというわけです。

そのリスクを考えるとなかなか転職はできないものです。

 

 

現状を変えたくとも、リスクやコストを考えるとなかなか行動できない。

 

私もそうです。

誰かを卑下しているわけではなく、私は人間はそういうものだと言いたいのです。

 

時には大きなリスクを取ることが必要な時はあるでしょう。

とは言え、しょっちゅうそんな負荷の高い決断はできません。

大きなチャレンジには大きなリスクが付きまとう、しんどいものですから。

 

 

逆に、少しずつでも何かを変えていくということは、心理的な負荷なくチャレンジすることができます

 

普段から現状を変える動きができないわけではないのです。

リスクが少ない、簡単にできる、かつメリットがあることをする。

 

まぁ、言ってしまえば運動、勉強、小さな事を試す、そんな習慣や時間の投資がそれにあたります。

 

リスクにならないぐらいにハードルを下げて、まず始める。

 

 

こつこつ時間を投資するということは、リスクをとらずに現状を変えたい、という人間の欲望にそった方法なのです。

 

下記Line登録で、ブログの更新をLineの通知でお知らせいたします!

マネジメント力向上、習慣定着等のご相談もお待ちしております!

https://peraichi.com/landing_pages/view/5aqzf

 

★終わり★

同じことをし続けず、後任に自分の立場を渡す。それが必要な時

こんにちは。

爽一郎です。

 

習慣定着に関するコーチングで人を幸せに導きたいというのが、私の思いです。

クライアントが習慣を身に着け、コーチングが不要になって独り立ちすることはとても喜ばしいことです。

 

ですが、寂しくもあります。

やはり、人から頼られるのは嬉しいこと。

独り立ちするということは、もう頼られなくなるということですから。

 

子育てをしていても、子供から頼られているという喜びがあります。

いつか独り立ちされることは、やはり想像すると寂しく思います。

 

誰かに頼られるということは、一つのモチベーションになります。

 

が、チームで成果を出すには、頼られるという快感から抜け出す必要があります

 

■マネジメントの半分はメンバーのスキルアップ

自分が頼られ続けることはチームマネジメントとしては怠慢です。

マネジメントの仕事の半分は、メンバーのスキルアップである。

インテルのCEOで卓越したマネジメントで同社を成功に導いたアンディ・グローブ氏は、そう言いました。

 

「人が仕事をしていないとき、その理由は2つしかない。単にそれができないのか、やろうとしないかのいずれかである。つまり、能力がないか、意欲がないかのいずれかである」。この洞察はマネジャーの努力の方向を180度変える力がある。つまりマネジャーのやるべきことは部下の教育とモチベーションの向上だ。

 

〜中略〜

 

マネジャーが部下の生産性を向上できる方法は、2つしかないと述べる。それはモチベーションと訓練だ。マネジャーが訓練を軽視するなら、自分の仕事の半分を怠けていることになるのだ。

 

 

マネジメントの半分は、メンバーが成果を出せるようにスキルアップさせることなのです。

そうして、マネージャーに頼られなくても成果を出せる人材にすることです。

 

■後任を育てることで出世した人の話

以前、アメリカ出張した際に聞いた話です。

 

アメリカ法人のトップがどのようにトップまで出世したかという話を、関係者から聞きました。

もちろん、一言では言い表せられない努力や経緯があったことでしょう。

 

ですが、最も意識したことは、単純に言えば後任を育てることだったというのです。

 

アメリカでは、セクショナリズム思考が強く、その考えは自分の業務範囲を部下が脅かすので一般的ではないらしいのです。

が、アメリカ法人のトップはその考えを貫いたとのこと。なおそのトップは日本人ではなくアメリカ人なので、非常に珍しい考え方だったと言います。

後任をしっかり育てることで自分ができることが広がり、出世を重ねてトップになったということでした。

 

 

あの有名な食品会社『ダノン』の組織開発部長がこう言っていたとか。

 

マネジャーたちはチームに仲間内で話し合ってもらいたくないと思っています。もしメンバーが解決策を見つけたら、マネジャーはそれ以上そこにいる意味がなくなってしまうかもしれません

 

 

これはアメリカの企業の話ですが、後任を育てたくない人々は日本でもちらほら見かけます。

 

「俺もそろそろお払い箱かな?」なんてニヤリと笑いながら言う人を見かけますが、本音は「まだあなたの力が必要ですよ」と声をかけられたいのがよく分かります。

 

コーチングをしていても「人から頼られるような自分のポジションを確立したい」という状態は、皆が目指したい姿のように思えます。

 

人に頼られたい。

 

悪いことでもなんでもなく、これは人間の欲求なのです。

 

■組織で自分が成果を出すには、人に目を向ける必要がある

知識やスキルを身に着け、人に頼られるような存在になることは、目指すべき姿だと私も思います。

それが社会的な市場価値というものです。

 

一方で、チームで活動しているのであれば、自分と同じようなことをできる人間を育てる、ということも同時に重要なことなのです。

 

先ほど話したアメリカ法人のトップは、もっと成果の高い、もっと付加価値の高い仕事をするため、自分の後任を育てたのです。

 

 

自分の立場を確立し、同じことをし続けることは、楽です。

ずっとコンフォートゾーンですから。

とは言え、今の100年ライフにおいて、そんな生き方ができる人は、もうほとんどいないのだと思います。

時代の変化は速いです。社会の需要はすぐ変わります。一つのスキルの社会的な市場価値がずっと同じとは限りません。

 

人をスキルアップさせながら、自分も成長してゆく事。

それが、今の時代に即した生き方なのだろうと思うのです。

 

下記Line登録で、ブログの更新やその他お得な情報をLineの通知でお知らせいたします!

マネジメント力向上、習慣定着等のご相談もお待ちしております!

https://peraichi.com/landing_pages/view/5aqzf

 

★終わり★

効率的な時間の使い方って、結局は何なの?

こんにちは。

爽一郎です。

 

めっちゃ仕事早い人、いますよね。

仕事抱えてそうなのに、定時で帰っていて、かつちゃんと成果も出している。

ワークライフバランス抜群ですやん!という人々。

 

当たり前の話ですが、そういう人は仕事を効率化しています。

 

いや、その効率化ってなんなのさ?

 

それを私も知りたいと思っていました。

その正体が見えてきたので、書き留めておきたいと思います。

 

馬鹿みたいに単純化して言えば次の言葉になります。

 

大事なことに集中して時間を使え

 

■効率化の正体

効率化は2種類です。

 

一つは業務をする時間自体を早くすること。

 

Excelで管理表を作る。

30分で作るところ、ショートカットなどを駆使して15分で作る。

時間を半分に短縮できますね。

 

この効率化は分かりやすいものです。

時短テク、ってやつですね。

分かりやすいので本もいろいろありますし、実践しやすいものではあります。

 

 

そして、効率化のもう一つは、重要なことに集中すること

自分が成果をあげるために、最も重要と考えることに時間を使う、という方法です。

 

 

前者は自分の業務を早くするだけなので、業務内容は変わりません。

よって分かりやすい効率化と私は述べました。

一方で、後者は自分の業務内容を選別することから始まるため、何をすれば効率化できるのかが分かりにくい方法となります。

 

が、卓越したハイパフォーマーたちは、往々にして後者に注力しているように、私は思います。

(もちろん前者も大事ですが、効果が高いのが後者という意味でとらえてください)

 

 

■重要なのは”先取り”

少し、たとえ話をします。

 

私は最近、ファイナンシャルプランナーの方と話す機会がありました。

その方が言うには、人生を通したお金の利用プランを立てる際に重要なことが、”お金の先取り”だそうです。

 

働いてお金を稼ぎやすい若い間の収入を、子供の学費や家の購入費などと言ったお金が必要になる時期のために、事前に確保しておくことです。

例えば積み立て型の保険として、20年後にしかおろせない状態にする。

そうすれば、お金を使わずに置いておく、ということが意識的にできない人でも強制的に20年後の資金としてお金を”先取り”しておくことができます。

 

爆裂に稼ぐ人でない限り、人生で得られる収入というのはある程度決まっています。

その限られた金銭の中で、欲しいものを全て手に入れることは、おそらくできません。

不用意にお金を使って行けば、枯渇して本当に重要な物事にお金を使えなくなります。

だから、人生において重要なことに集中してお金を使えるように、”先取り”しておくのです。

 

これは効率的な金の使い方をするには”重要なことにお金を使えるようにせよ”という至極まっとうな、ファイナンシャルプランナーからのアドバイスなのです。

 

 

”お金”から”時間”に言葉を変えて考えてみましょう。

 

時間を先取りし、重要なことに使う。

 

簡単に言えば、それが効果の高い効率化なのです。

では、この重要なこととは何か?

これも、考え方が何種類かあります。

 

 

一つは、パレートの法則にしたがった業務内容です。

パレートの法則は80対20の法則と言われるもの。

全体の80%を占めるのは、20%の要素だよ、というものです。

 

パレートの法則については、下記が簡単に読めて、分かりやすいです。

 

 

パレートの法則にしたがい、仕事の成果の8割を決める2割の要素を探し出して取り組む。

 

プロジェクト発足で例を言えば、目的・スコープ確定・達成条件確定をプロジェクトオーナーと合意を得るための行動が2割の重要な行動と言えるでしょう。

それ以外の、細かいタスクをいきなり考えるのは8割を決める仕事ではありません。

 

Microsoftが世界を席巻することになったOS、Windows95はパソコンを知っている方ならご存知でしょう。

それを開発した日本人、中島聡氏。

彼はとにかく、全体の8割の仕事をはじめの2割の日程で終える、ということを徹底して実践していると著書で語っています。

例えば10日で終わる仕事があったとしたら、まずは初めの2日間に重要な部分をやり切ってしまうのです。

 

とにかく最初の2日間に8割終わらせることを目標にロケットスタートを切ります。私は大体、この期間にソフトウェアの大まかな設計を作り上げます。企画書を書いている人は、この期間に企画書の大枠を書き上げます。マーケティングプランの構築をしている人は、そのプラン全体の構築を行います。作曲やライティングをしている人は、枝葉を気にせず一気に最後まで書き上げます。考えてから手を動かすのではなく、手を動かしながら考えるのです。

 

〜中略〜

 

  このロケットスタートの2日間は、私はメールもフェイスブックもやりません。不本意に時間を取られかねないものはすべてシャットアウトします。普段仕事の合間に何げなくやってしまう、コーヒーを淹れてみたり、散歩に出てみたりといったこともしません。とにかく仕事のことだけ考え続けます。

 

 

 

重要な業務って何?を考えるもう一つの考え方は、”自分にしかできない仕事”をするというものです。

この”自分にしかできない”というのは”他の人間に渡すことができない、自分がすべき業務”というものです。

 

これを実践しまくっていることで有名なのはホリエモンこと堀江貴文氏です。

 

彼は、自分より他の人がするほうが効率が良いことは、全て委託します。

堀江氏は自分がすべき、自分でしかできないことのみに集中して時間を使い、様々な分野で成果をあげているわけです。

 

 

パレートの法則であれ、自分にしかできない仕事であれ、そんな”重要な仕事”に対して、時間を先取りしておくことが効率化なのです

 

成功者たちの時間の使い方をまとめた本『1440分の使い方』にはこれを”タイムブロッキング”という名前で紹介しています。

 

「タイムブロッキング」した予定は、診察の予約だと思って対処する

 つまり、それくらい重要だということだ。ほとんどの人は、自分で決めた予定をあまりにも簡単に覆してしまう。 たとえば、4時から5時までは会社で重要な報告書を書くと決めた後に、「相談したいことができた」という理由で同僚から15分くれと頼まれたら、どうするだろうか。反射的に「いいよ」と答えながら、報告書は45分で仕上げようとか、予定を15分遅らせようとか、何らかの方法で時間調整しようと考えてしまうのだ。

 しかし、これが報告書の作成ではなく、病院や歯医者の予約だったとしたらどうだろう? その時間を同僚に譲って、15分遅れで診察室に現れるだろうか?

 そんなはずはないだろう。

 

 

予定表で、先に自分の重要な時間を”先取り”しておくという方法です。

ともすれば他の人に会議を入れられてしまいます。

先に自分の重要なタスクをこなす時間を”先取り”するのです。

 

■重要じゃないことに時間をさかない

締め切りの迫っている仕事から手を付ける。

人から依頼された仕事を、対処しないと気持ち悪いので先に処理する。

メールが来たら、すぐに見て処理しようとしてしまう。

 

効率化をおろそかにすると、こういった仕事を先にこなそうとしてしまいます。

そうして、時間は過ぎ、重要な仕事はおざなりになるのです。

 

クオリティ高く対処すれば最も成果があがるはずの業務ほど、ないがしろになってしまいます。

結果、締め切りギリギリで、夏休みの最終日計算ドリルクオリティの仕事のできあがりです。

 

人からの依頼をすべきではない、と言うわけではなく、それが自分でしなくてもよい重要でないものならば委託するべきなのです。

委託が難しければ、クオリティを下げて対応すればよいのです。

だって、成果をあげるうえで重要ではないのですから。

 

時間を有効に使おうとするならば、

自分の重要な仕事は何かを問い、

そのための時間を先取りする。

 

お金と同じで、重要なことに時間を使えるようにする、という当たり前のことが、効率化の正体なのです。

 

下記Line登録で、ブログの更新をLineの通知でお知らせいたします!

マネジメント力向上、習慣定着等のご相談もお待ちしております!

https://peraichi.com/landing_pages/view/5aqzf

 

★終わり★

異世界×プロジェクトマネジメント 第2話『要望は質問で掘り下げるべし』

ヒロがこの世界にきて、一ヶ月が経過した。

森でキラーマンティスの群れを消滅させた後、ヒロはジュドーとメグに街まで送ってもらった。
シュテリア王国の王都、シュテール。
3万人ほどが住む、この世界では大きな街に分類される街だ。
”この世界”とは、この異世界のこと。
地球ではない。にわかには信じがたいが、ヒロは街の人々の話を聞いていて、確信した。
本当にファシュファルに異世界転移されたのだと。

一ヵ月前、ヒロが魔法をぶっ放した時、ジュドーから矢継ぎ早に質問を受けた。

メグからも
「あなた、何者?」
と少し感情をあらわに尋問された。

だが、ヒロは女神ファシュファルからお願いされた、としか答えられなかった。
ジュドー
「すごいなおい!神の使いか!」
と興奮したが、メグは大魔法のすごさは認めたものの神の使いであるということは眉唾と思っている様子だった。

メグによれば、キラーマンティスを倒した破壊の魔法も、転移の魔法も、とてつもない大魔法で、使える人はシュテリアにはおらず、もはや書物にのみ書かれた伝説のようなものだと言う。
ファシュファルは、本当にヒロに対して大魔法の力を授けたということだ。

ヒロという謎の魔導士の存在は、ギルドへの土産としてはかなり有用だったらしく、ジュドーとメグ、そしてマーテルはそれなりの報酬をもらったようだ。

マーテルは途中で逃げたにもかかわらず、ヒロはジュドーとメグに平等に報酬を分けるように促した。
ヒロは、まだこの世界に来て右も左も分からなかったので、敵をなるべく作りたくないと考えたのだ。マーテルでさえも。
森での状況を覆した、半ば命の恩人たるヒロには、ジュドーもメグも従った。メグはしぶしぶだったが。

その後のシュテリア王国内でのヒロへの尋問は激しかった。
王宮へ連れて行かれ、いろいろと問い詰められた。
ジュドーとメグという知名度のある人間がヒロの大魔法使用を証言したことで、ヒロがとてつもない大魔導士と思われたのだ。
急に現れた大魔導士。何が目的なのか、皆いぶかしんだ。

だが、実際のところヒロは魔法が使えない。
森でなぜ使えたのかと言えば、女神ファシュファルの気まぐれのような気がする。

結局、王国の魔導士ケルンという老人にいろいろ体を調べられたが、危険性はなさそうなので解放された。
が、シュテリア王国配下には置きたいらしく、王国直轄の冒険者ギルドで働くことになった。

ギルドで働く人数は十数人。
その一員として、ギルドの受付雑務処理のような役割を任せられた。

 

そんなこんなで一ヵ月。
この世界の生活にも慣れ始めたヒロ。

この日も、昼時にギルドで冒険者からの受付をしていた。

冒険者ギルドはシュテール内にいくつかあるが、王国直轄の冒険者ギルドは最も規模が大きい。
国からの仕事もここで募集されるし、他国の仕事もこのギルドに集まりがちだった。

その分、冒険者の登録も最も多く、冒険者たちが仕事を探しに来たり、仕事を街の人が依頼しに来たり、ひっきりなしに人が来る。

今日も忙しかったが、少し人に切れ目ができ、ヒロは一息付けそうなタイミングだった。

「今日もヒロさん、がんばってますね」

そうヒロに話しかけるのは、ギルドで働く女性、レインだ。
金髪の髪を束ねた、活発な印象の従業員である。
仕事としては、何かといろいろこなす。事務処理から交渉まで、ギルドに関することならなんでもやってのける。
全ての仕事が完璧!と言うわけではないが、ギルド内ではとても重宝されている。
人当たりも良い。
若そうなのに、仕事ができる。素晴らしい人材だ。

しかも見た目も良いとくるので、看板娘のようになっている。

なお、ヒロが大魔法を使ったことは、一部の関係者を除き、伏せられている。混乱を招くのを防ぐためだ。

レインも知らない。
ヒロは、違う世界から来たと言うと信じてもらえないので、基本的に遠い国から来た、と自分のことを説明している。
その甲斐あってか、みな普通に接してくれる。

ヒロはレインに、自虐的に言葉を返す。

「いやぁ、そんなことはないですよ。
 レインさんはすごいですよね。
 レインさんと話すために来た冒険者が、私が受付だった時の落胆の顔をよく見ますから」

レインがさらに返す。

「ギルドで働いて、結構経ちますから!
 "一日の長"です。
 ヒロさんの受付も、なかなか評判が良いんですよ?聞いたことありませんか?」

「私の受付が評判が良い…?いや、それは初耳…」

と話している最中に、冒険者と思わしき男がヒロのもとにやってきた。

 

ヒロはレインに会釈し、仕事に戻る。

「お越しいただき、ありがとうございます。どんなご用件でしょうか?」

ヒロはつつがなく対応した。
冒険者の男が答える。

「仕事を探してるんだ」

「なるほど、どのようなお仕事をお探しで?」

「魔物の討伐…東のケーナ平原での魔物討伐依頼はないか?」

「ございますよ」

ヒロは依頼書を何枚か取り出した。

「今はこの4つ、依頼が来ていますね」

男はじっと依頼書を見た。内容を吟味しているのだろう。

「うーん、そうだなぁ…」

男は悩んでいる様子だ。
ヒロはそれを見て質問した。

「お悩みのようですね。差し支えなければ、どんな依頼をお望みか、お聞かせ願えますか?」

「ああ、飛んでいるタイプのモンスター討伐をしたくてな。
 たしか、ケーナ平原には鳥系のモンスターがいるだろ?大型のヘルバードとか。
 そんな依頼はないかと思って」

「ああ、今はケーナ平原には鳥系モンスターの討伐依頼はないですね」

ヒロがそう答えると、冒険者は残念そうにした。

「そうか…」

ヒロはまだこの冒険者の要望を聞ききれていない。
もう少し要望を深く確認すれば、他の依頼でも満足してもらえるかもしれない。
ヒロはそう考え、質問を投げかけた。

「なぜ飛んでいるモンスター討伐をご希望で?」

「恥ずかしい話だが、弓を新しく強い弓にしたんだが、少し扱いが難しくてな。
 弓の腕を上げたくて、練習を兼ねた依頼がないか探しているんだ」

「なるほど。でしたら、アルト川でペリニー討伐の依頼がありますよ」

「ペリニーって、超すばしっこい小型の鳥か?
 それは、ちょっと弓で射るには難易度が高すぎるぞ…」

「魔物の動きを遅くする”スピードダウン”が使える魔導士がギルド登録しておりますので、一緒に行かれると良いかと思います」

「おお、それは良いかもな!」

そうして、男は依頼を引き受けた。

受付を終えたヒロに、レインが待ってましたと声をかける。

「そうそれ!その対応ですよ!それが評判良いんです!」

「この対応って…普通の対応でしょ?」

「いえ、私もそうですけど、ギルドの受付なんて、冒険者の依頼を聞いて、希望のものを単純に提供するだけなのが普通です。
 さっきの冒険者で言えば、ケーナ平原で鳥型モンスターの討伐依頼がない、と言う時点で、ギルドからの依頼紹介は終わりです。
 ヒロさんみたいにわざわざ話を深堀して、要望に合った依頼を提案するなんて人は、いないですから!」

「そういわれてみると、確かに」

レインも、他のギルド受付の人間も、ヒロのような対応はしていない。
この世界には、知識労働の体系的なノウハウはまとまっていないのだろう。

相手の行動の目的を聞く。
相手の口から出た要望は表面的なこともあるので、さらに掘り下げて聞く。

プロジェクトマネジメントの極意。質問による真意の確認

クライアントの要望を実現するには、真意を掘り下げる質問は欠かせない。
要望を確認するという、プロジェクトで要件定義する上での基本を行っているだけだ。
ヒロはそう思った。

「これ、評判広まっちゃうんじゃないですか?冒険者のコミュニティは情報交換が早いですから。
 そうしたら、もっと忙しくなりますよー?」

レインがいたずらそうに笑いながら言った。
ヒロは、この世界で生きていく上で、冒険者へのコンサルティングっていうのも悪くないなぁ、なんて思っていた。

だが、ヒロがプロジェクトマネージャーとして力を発揮するべき案件が、すぐに姿を表すことになる。

 

★つづく★

 

この先は、下記小説サイトにて投稿しております。

続きは、下記サイトにてお読みいただけます!

是非ご覧ください。

  

kakuyomu.jp

すぐ手に入るスキルばかり重視すると、正論ばっかりおじさんになる

こんにちは。

爽一郎です。

 

少し扇動的なタイトルですが、今日の内容を要約するとそんなタイトルになるのです。

 

さて、希少価値のあるスキル、とはなんでしょうか。

 

希少価値。

簡単に言えば、誰もができることではなく、できると役に立つようなこと。

 

海外と英語でやり取りが必要な職場で、数人だけ英語ができる人がいたとしたら、それは希少価値のあるスキルです。

 

プロジェクトを発足する時、プロジェクトマネジメントがうまくできる人がいれば、それは重宝されるでしょう。

そんなにプロジェクトマネジメントに長けた人はごろごろいませんから。

 

そして、希少価値のあるものは、簡単には手に入りません。

希少なのですから。

 

「たった1ヵ月で英語が話せるようになる!」なんて本、ありますよね。

私はあの手の本は信用していません。

1ヵ月で本当に英語が話せるようになるのであれば、英語なんて希少なスキルではありません。

全ての人が1ヵ月で話せるなら、企業は新人研修で英語を教えているでしょう。

いや、その前に学校の教育だけで充分なはず。

 

英語をはじめ、言語を使える状態にするには、日々のたゆまぬ努力が必要であり、期間もかかります。

 

だから、希少価値があるのです。

 

ビジネスから離れても同じことです。

 

抜群のスタイル。

マッスルボディ。

 

それらはすぐに手に入らないものです。

だから、みなあこがれる。

欲しがる。

 

すぐに手に入らないからこそ、欲しいのです。

それが希少価値というものです。

 

■すぐ手に入るものは誰もが手に入れられる

逆に、すぐに手に入るスキル、というものが存在します。

 

・プレゼンですぐに使える技

・話し方のテクニック

・聞き上手になる方法

 

たった1日の研修で手に入れられるものは、確かにあります。

役に立つものもあります。

 

が、ご想像通り、これは希少なものではありません。

 

1日で手に入るスキルは、誰もが1日で手に入れることができるのですから。

 

そんなスキルを皮肉った本があります。

 

 

例えば、下記のような内容。

f:id:bonzinkun:20200616220801p:plain



 

f:id:bonzinkun:20200616220835p:plain

 

 

ようは、会議でなんだかスマートに見えるけど、実際は仕事していない人の振る舞いをネタにした本です。

そして、こんなんしてる人がいたら注意しようね、という意味合いの本かと思っています。

(本の論調としては、本当に会議でスマートに見せるためのハウツー本、という体をとっていますが)

 

さて、そんな中に次のページがあります。

 

 

f:id:bonzinkun:20200616220857p:plain

 

誰も反論できない、正論を言う。

 

正論を言う、というのは誰もができる賢そうにみせるための「テクニック」なのです

 

過去、こんな記事を書きました。

 

bonzinkun.hatenablog.com

 

正論ばっかり言う人は、現実的な案を現状を捉えて考えることが「めんどくさい」。

 リスクのある発言をして、後に責任をとらされるのも「めんどくさい」。

 何せ、正論は間違っていないのですから、言っておけば安心。楽なのです。

 

 批判ばかりする人は、あるべき姿を考えるのが「めんどくさい」。

 目についた悪い点を指摘するのは簡単で、楽なのです。

 どんな状態が今の最善だから、こうしたほうが良い、という建設的な視点で考えるのはエネルギーが必要ですから。

 

真に成果を出すための発言、意見というのは、正直考えることがめんどうなのです。

だから、誰もができない希少価値のあるスキルなのだと私は思います。

 

一方で、自分をスマートに簡単に見せることができる、すぐできる方法。

 

それはこの本で揶揄されているように

「常に正論を言う」

なのです。

 

辛辣な言い方をすると、正論ばっかり言うというのは、仕事をさぼっているにもかかわらず、さもスマートに仕事をしているかのようにごまかす行為と言えます。

 

■希少価値を高めるための日々の投資が、習慣

というわけで、今日の記事は煽るようなタイトルになりました。

 

すぐに手に入るスキルばかり求めると、できないことをごまかそうとすることになりかねません。

希少価値を高めたいなら、時間のかかる、面倒なことをするしかないのです。

 

習慣化、というものの大切さを私は良く説きます。

習慣は将来の自分に向けた、時間の投資です。

 

語学勉強の習慣化。

運動の習慣化。

読書の習慣化。

 

何にせよ、毎日習慣的に何かをする、というのは希少価値のあるスキル取得に寄与します。

 

正論ばっかり言う、疎まれる人間にならないためには。

そんな毎日の投資がいるのだと、私は思うのです。

 

下記Line登録で、ブログの更新をLineの通知でお知らせいたします!
マネジメント力向上、習慣定着等のご相談もお待ちしております!

 

★終わり★

「あの時言ったじゃん」というのは、有能さの押し付け

こんにちは。

爽一郎です。

 

私は、記憶力が良い方ではありません。

すぐに忘れます。

会議の内容なんて、すぐに忘れるので議事録なりメモなりをつけておかないと、

「あれ、なんのことだっけ?」

となることが良くあります。

 

一方で、メモなんて不要な、記憶力抜群の人々がいます。

知能指数が高いってそういうことなのかな、なんて思いつつ、羨ましく感じることもあります。

周りにそんな人が数人いますが、彼らはあの時のあの発言、というものをよく覚えています。

 

が、今日はそんな人ほど議事録というものは取らないとダメよ、と言うお話です。

人と協働するのであれば。

 

■あの時、ちゃんと言ったじゃん

記憶力が高い人。

過去、仕事場にそんな人がいました。

 

彼はメモを取らない。

何でも覚えているからです。

名前を、仮にMさんとしましょう。

 

Mさんは会議の内容を、100%とは言いませんがよく覚えている人でした。

誰が何の発言をしたのか、結構覚えていたのです。

そんなMさんに、メモでも取っているのかと聞きましたが、とっていないとのこと。

 

「そういうの、覚えておくのが得意なんだよね」

 

そんな言葉が返ってきたました。

こりゃすごい。

私は羨ましく思ったのを覚えています。

 

知能指数が高いと、記憶力が高いと言われています。

 

smartlog.jp

 

IQが高い人は、物事の構造を瞬時に分析できるため、一度何かを見たり聞いたりするだけで記憶してしまう素質を持っている人も多いです。

IQが高い人を全体的に見ても記憶力の高い人が多いため、人の話や仕事のやり方をすぐに覚えるのも得意。

 

Mさんも、頭の回転が速い人でした。

周りの人も、Mさんには一目置いていましたし、実際に仕事もできました。

 

ただ、仕事の優秀さはプレーヤーとしてであり、チームリーダーとして仕事をする場合にはいざこざがそれなりにありました。

 

それは、チームメンバーとMさんとの認識違いです。

 

私はMさんのチームで短い間ですが、プロジェクトメンバーとして活動したことがあります。

Mさんが会議で伝えた内容、メンバーが話した内容。

彼は議事録を取りません。周りで誰かが書いてくれることはあるものの、彼が主催する打ち合わせであれば、指示されない限り誰も議事録はとらないものです。

議事録取るのって面倒ですからね。

 

結果、Mさん本人は覚えていても、チームメンバーが覚えていない物事が多々ありました。

例えば、下記のような内容。

 

「来週の月曜日までに顧客へ、このシステムの設定値の根拠を伝えて合意を得ておいて。

 その根拠は、顧客のBさんと前に決めた内容で検討して」

 

”Bさんとの前に決めた内容”が何であるかをMさんと認識合わせすべきなのですが、若いメンバーで構成された当時のチームは、それができませんでした。

また、日が経つと”設定値の根拠の合意”というものも具体的に何をするものだったか、記憶があいまいになっていきます。

タスクを忘れてしまう人も出てきました。

 

ただ、それでもMさんには指摘されます。

 

「なんでできてないの?あの時、ちゃんと言ったじゃん

 

みんな、Mさんの記憶力が高いことは知っていたので、Mさんの言うことが誤っているということについて疑うことはありませんでした。

ただただ、自分たちが指示を覚えていない、ということにもどかしさを感じる日々だったのです。

次第に自分でメモを取るようなメンバーも現れました。

が、Mさんの発言や会議内容のすべてをメモするなんてことはできず、メモすべき要点というものも的確にとらえられない私を含む若いメンバーたちは、Mさんとの認識のずれを無くすことはできなかったのです。

 

それでも、Mさんはできる人だったのでみんな頼りにし、なんだかんだで仕事は進みました。

Mさんも、会社から評価はされていたように見えました。

 

が、思い返すと、Mさんは仕事ができてすごい人でしたが、メンバーとしては一緒に仕事するのは辛かったなぁ、なんて思います。

 

ベストセラー『人は見た目が9割』で話題になりましたが、人は視覚からの情報を最も大きな判断材料にして活動していると言います。

 

 

聴覚からの情報や、話の内容と言った言語情報は、視覚よりも人に及ぼす影響が少ないのです。

Mさんは口頭で聞いた話でも覚えらえていたようですが、それは特殊能力なのかもしれません。

もしくはMさんもそういうものが覚えられるように訓練をしたのかもしれません。

どちらにせよ視覚情報優位な一般の人にはなかなかない能力だと、私は思います。

 

■重要なのは「言ったか」ではなく「伝わったか」

人に何かを依頼する。交渉する。伝える。

我々は言語を使ったコミュニケーションを通じて、人と協働します。

 

その際「言ったかどうか」ではなく「伝わったかどうか」を意識しなければうまく人と協働できないと、私は思っています。

さらに言えば、伝えた内容で納得して行動してくれるかまでを意識する必要があると思っていますが、それは今回は置いておきます。

 

「あの時言った」というのも、相手に的確に伝わっていなければ、人と協働するという点で見ると「言ってない」のと変わりありません。

ただ「自分はちゃんと指示した」と自分の行動を正当化するための言い訳です。

 

Mさんは、個人としては優秀な人でしたが、チームリーダーとして物事を伝える、というスキルは不足していたのでしょう。

 

自分が覚えている人こそ文字にの残すべき。

それは、チームメンバーとの認識を確実なものにするためなのです。

 

書くことにはいろいろと利点があります。

以前、こんな記事を書きました。

 

bonzinkun.hatenablog.com

 

私は上記の記事で、書くことの利点を次のようなものと言いました。

 

①自分の考えが整理される

②過去の考えを見返すことができる

 

これは、自分へのメリットです。

Mさんのように、書かなくても考えが整理でき、書かなくても過去の考えを覚えている人にはメリットになり得ないものかもしれません。

 

それに、正直、書くという行動は面倒なものです。

書くこと自体が手を動かさないといけないから面倒だし、文字にするには言葉では曖昧に話せてしまうことを、明文化する必要があるので、頭を使います。

記憶力がある人が、メリットを感じないそんな面倒な行動をせずにいるのは、無理もないことでしょう。

 

ですが、人と協働するならば、話が違ってくるのです。

 

チームで成果を出すには、リーダーが何を期待しているかをメンバーに的確に伝えなければなりません。

そのためには、口頭で伝えるよりも、明らかに視覚でもって確認でき、かつ後に残る文章で伝えるほうが良い。

いわゆる認識合わせ、というやつは目で見える情報で行うべきなのです。

 

「あの時言ったじゃん」

それは、自分が覚えられる有能な人が、有能さを人にも押し付けている結果だと言えます。 

 

仕事がめっちゃできるのに、人と仕事すると途端に成果が出なくなる人というのがいるとしたら、そんな人なのかもしれません。

 

下記Line登録で、ブログの更新をLineの通知でお知らせいたします!

マネジメント力向上、習慣定着等のご相談もお待ちしております!

https://peraichi.com/landing_pages/view/5aqzf

 

★終わり★

異世界×プロジェクトマネジメント 第1話『異世界でプロマネすべし』

ズッゴォォォォン!

ただのプロマネ
ただの人間。
ただの一介のシステムエンジニア

そんな彼が放った魔法は、モンスター共々見渡す限りを破壊し尽くした。

「なんか、出た…!?」

自分がとてつもないモンスターを倒した事実に、廣田は驚きの声を上げた。

***

時は少し遡る。

女神ファシュファルは悩んでいた。

「どうすれば、私の世界がもっと発展するのかしら…」

神はそれぞれ、自分の管轄する世界を持つ。
女神ファシュファルの世界は、まだまだ発展途上。

「いまだに国同士が小競り合いしてるし。
 人間に魔法の力を授けたのに、なんか魔物に押され気味でなかなか豊かにならないし…。
 私、才能ないのかしら…ぐすん」

神は自分の管轄する世界を発展させることがお仕事。
ファシュファルの世界は、なかなか人間たちの暮らしが豊かにならない。
それがファシュファルの悩みである。

「ねぇ、ちょっとあなたの世界を見せてみてよ。
 地球…って言ったっけ?」

ちょうど横にいた同僚の神、ガイアにファシュファルは話しかけた。
ガイアが答える。

「いいよ。
 地球、見せてあげる」
 
ファシュファルは地球を見て驚いた。

「え!?
 これ、もうめちゃくちゃ発展してるじゃないの!
 あんたの世界、魔法ないはずよね!?
 え?どうやったの!?」

「なんかね。
 人間たちの頭が良くって、勝手に発展してった。
 マジでラッキー」

「そんなに頭がいいの!?あんたの世界の人間は!
 羨ましい…」

ファシュファルに妙案が浮かんだ。

「ねぇ、ガイア。
 あんたの世界の賢い人間を一人、私の世界に貸してくれない?」

「そうだねぇ。
 一人ぐらいなら、いいよ」

「やった!ありがとう!
 とびっきり賢いのを選んでね!」

「そうだな…
 異世界に移転させても因果律が歪まない人間で、かつファシュファルの世界になさそうな知識持ってそうな人間ね…」

ガイアが目を閉じて自分の世界を検索する。
見つかったのか、目をパチッと開けた。
ガイアが右手をかざすと、二人の前に人間の姿が映った。

「彼なんてどう?
 廣田 準之助(ひろた じゅんのすけ)。
 ある分野に、とっても深い知識がある。
 きっとファシュファルの世界の役に立つと思う」

「なんだかさえない感じね。
 まぁ、この際どんな人間でもいいわ。
 私の世界を良くしてくれるなら。
 その人間、私の世界に転移させてもらっていい?」

 

***

 

と言うわけで、異世界で廣田は化け物に追われていた。

「知識だけでこんな化け物は倒せないって!
 無茶振り女神のバカー!」

森の中。
額から一本の角が生えたネコ科の化け物に追われている。
ネコ科といっても、大型。
形状はヒョウに角が生えたような生き物。
体に模様はなく、赤い体毛に覆われている。

見たことがない生き物だ。

ただの会社員で、システムエンジニアだったはずの廣田 準之介は必死に森の中を逃げていた。
明らかに、この猛獣に捕まれば命はない。

***

仕事ではプロジェクトをまとめる役割、プロジェクトマネージャーを担うことが多い廣田。
昨日も、大きなプロジェクトが終わり、打ち上げの飲み会をし、そして家に帰り、寝た。

次の日に会社へ向かうため玄関に立った際、昨日のプロジェクト完遂を思い出して達成感に浸っていたところ、なぜか体が金色に輝きだした。

あまりの出来事に驚いていると、周りの景色が消え、真っ白い空間にいた。

「あれ?何?拉致?」

廣田は混乱した。
最中、女の人の声がした。
目の前にいきなり女の人が立っていた。
ギリシャ神話にでも出てくる女神っぽい服装をしている。

「私は、女神ファシュファル。
 廣田よ。あなたは選ばれたのです」

「ファシュふぁふ」

廣田は噛んだ。
言いにくい名前だな、と廣田は思った。

「今、言いにくい名前だと思いましたね?」

女神ファシュファルは自分の名前が呼びにくいことを気にしている。
少し苛立ちつつも女神の威厳と笑顔を保ちながら言った。
廣田が驚く。

「え?考えてることがわかるんですか!?」

「ええ、私は女神ファシュファル。
 ファ・シュ・ファ・ルです。
 神ですから、考えていることも分かります」

「おお!
 それはすごい。
 私が選ばれたって言いましたが、まさか私の願いをかなえてくれるんですか!?」

「いや、そうではありません。
 あなたにお願いがあるのです」

「え?私の願いじゃなくて、お願いされるんですか…?
 いや、私、もう新しいプロジェクトが決まってて忙しいので。
 追加の依頼はちょっと…」

ファシュファルは無視して話す。

「私の世界を、あなたに救って欲しいのです。
 あなたの知識を使って…」

「私の知識…?
 プロジェクトマネジメントの知識ぐらいしかありませんが…」

「そう、その知識!
 それで私の世界を豊かにして!」

「あなたの世界を豊かにする、というプロジェクトということですか?」

「え?うん…そうよ」

「なら、プロジェクトの目的は何ですか?
 プロジェクトなら、まずは目的を明確にしないと。
 あ、その前に企画書あります?
 体制表は?」

ファシュファルは無視して続けた。

「その知識を活かし、私の世界を豊かにしなさい。
 特殊能力として、大魔法を使えるようにして差し上げましょう」

「ファシュファルさん、プロジェクトならちゃんと背景の説明を…」

さらにファシュファルは無視し続けた。

「ただし、大魔法はあなたがその”プロジェクトマネジメント”の知識を発揮した時にしか使えません。
 逆を言えば、あなたはその知識を私の世界で使ってくれれば、大魔法使いになれるのです!」

「いや、おい!人の話を聞け!」

「じゃあ、行ってらっしゃい!
 早速、自分で転移の大魔法を使って移動するといいわよ☆」

廣田がファシュファルをさらに咎めようとしたとき、再び廣田の体が輝きだした。
勝手に、体からエネルギーがあふれ出し、再びあたりが光に包まれた。

そして、気が付けば森の中だった。

魔法を無理やり使わされた廣田は、慣れない魔法のせいで街から距離のある森の中に転移してしまった。
ファシュファルは廣田に少し苛ついたので、当てつけにそのまま森に放置することにした。


そんなこんなで森に落とされた廣田。

「あの女神、一方的すぎるだろ…」

スマホは圏外。

どうしようもなく、しばらく森の中をスーツ姿で歩いていた。
半日ほど歩き、少し疲れて休憩していたところ、巨大ネコの化け物に襲われたのだ。

必死で走る廣田。
35歳。独身。
彼女が欲しいので、スタイル維持のために普段から運動はしている。
とは言え、化け物に追われて全力で走り続けるなんて、慣れてなさすぎる。

「もう、体力が…どこか隠れるところは…!?」

と目で追っていると、大きな木が集まった目隠しになりそうな場所があったので、とっさに隠れた。

じっと息をひそめる。
化け物の足音や息遣いが聞こえてくる。

なんだよ、お前ネコ科だろ。
犬みたいに俺の臭いをかぎつけるとか、そんなんできないよな…?
ああ、なんだここは。死にたくない。

心臓をバクバクさせつつ、そんなことが頭をよぎる。
そうこうしているうちに、足音が、遠ざかっていった。

廣田はおそるおそる木の陰から出て、周りを見た。
その時、少し離れたところにいる化け物とばっちり目が合った。
化け物は足を止めて、待っていたのだ。

「おま、猛獣のくせに去ったフリみたいな知恵使ってんじゃねーよ!」

と、ツッコミながら、廣田は思い出した。
確か、女神ファシュファルが大魔法を使えるようにすると言っていたはず。

「よしっ!
 魔法を食らえ!」

廣田は手を化け物にかざしてみた。

が、何も起きなかった。
おい!ファシュファル!もう俺死んじゃうよ!?

死を覚悟した。
もう走れない。体力の限界。

ああ、こんな良く分からない場所で、良く分からない化け物に襲われて死ぬのか…。
廣田は固く目を閉じた。

「どうりゃー!」

その時、男の声がした。
ずべしゅ!
そんな形容しがたい音が響いた。

目を開くと、廣田の前に鎧を着た男の後ろ姿がある。
中世ヨーロッパの甲冑を、すこし軽装にしたような恰好。
大きな剣を片手に、こちらを振り向いた。

「大丈夫だったか?」

男は廣田に声をかけた。

「え?いや、え?うん、はい」

廣田は混乱しながら答えた。

 

「よく逃げ切った。もう、ライニャスは倒したから安心しな」

鎧の男が言った。
男のそばを見ると、化け物の首と胴体が離れて横たわっていた。
生臭い匂いが漂ってきた。

「うわっ!気持ち悪っ!」

廣田はそう言いつつも、助けてもらったことに気が付いた。
礼を言わねば。

「あ、ありがとうございます。もうダメかと思いました…」

「例には及ばないさ。ライニャスを倒すなんて俺にとっては簡単だからな」

ライニャス…さっきの猛獣か。
えらく可愛い名前だな。

いや、それよりあれを倒すのが簡単って、この男すごすぎない?
そんなことを考える廣田に、鎧の男が続けて言った。

「見たことない恰好だな。
 冒険者ってわけでも無さそうだが、こんなところで何をしていたんだ?
 ライニャスも倒せないのに、この森に独りで入るなんて自殺行為だぞ」

声をかけられ、廣田は落ち着いてきた。
良く見ると、男はとても整った顔だちだ。
堀が深い。そして青みがかった髪の色。
180センチは明らかに超えていそうな身長。
屈強な体格のモデルのようだ。
年齢は二十代半ばといったところか。

男でも惚れるぜ、これは。
廣田はそんなことを思いつつ言葉を返した。

「いや、それが…。
 ファシュファルという神様に無理やりこの森に飛ばされたみたいで…」

「ファシュファル!?
 女神ファシュファルか?
 君は神からの使いなのか!?」

「まぁ、そういうことになるのかもしれません…
 ここ、どこですか?東京…ですかね?」

「トーキョー?聞いたことないな。
 ここはシュテリア王国領内の、シュテリア森林だ」

シュテリア王国?なんだその国。
見たことない生き物、時代錯誤な格好の男。
本当のあのファシュファルという女神の世界に飛ばされたようだ。

「おい、女神ファシュファルからの使いのようだ!」

ジュドーが後ろを向いて話した。
すると、後ろから他の男の声が聞こえた。

ジュドーさん、人助けも良いですが、早く依頼をこなして街に戻りましょう。
 森に独りで、そんな見たことない恰好でうろついてる神の使いなんて、怪しすぎますよ。
 放って行きましょう」

そう言い放った男は、年齢的には三十代か四十代と思われる、細身な外見だった。
丈夫そうな革の服を着て、たくさん荷物が入っていそうなリュックサックを背負っていた。

狐目で廣田を見るその目は、明らかに警戒の眼差しだ。

その狐目の男の隣に、もう一人小柄のマントを羽織った女の子がいる。
金髪のショートカットで、ゲームの魔道士のような服装だ。これまた整った顔立ち。
年齢的には十代の後半だろうか。幼い雰囲気が残る。

その子は無表情で周りを見ている。廣田のことなど眼中になさそうだ。

ジュドーと呼ばれた鎧の男が答える。

「マーテル、そうは言ってもほっとけない。
 本当に神の使いだったらどうする?
 それに、今朝の光のことも知ってるかもしれないだろ?
 光の調査は、依頼内容じゃないか」

狐目の男、マーテルが返した。

「…流石に人助け大好きジュドーさんですね。
 ですが、ここはモンスターも多いのですから、さっさと切り上げたいのですよ。
 もしあなた方が怪我をしようなら、回復アイテムの出費が重なります。
 出費は抑えたいのです」

廣田は焦った。
マーテルは廣田を怪しい奴、として放置して行こうとしている。
彼らが何者かは分からないが、こんなところで独りのままにされては、死ぬのは目に見えている。
廣田は会話に割って入った。

「光って、金色の光ですか?それなら、心当たりが!」

ジュドーが反応する。

「お、その通り!金色の光だ!知っているのか?
 俺たちは、明け方、森に金色の光が強く輝いたという情報が入って、ギルドから調査に急遽派遣されたんだ」

「それ、多分私のことです。
 ファシュファルが私を転移させたときに、私の体が金色に光っていたんです。
 きっとその時の光です」

廣田は助かる糸口と思い、早口で答えた。
だが、我ながら信じてもらえるかは怪しいとは思った。
証拠がない。

「ファシュファルがあなたを転移?ありえないでしょう。
 女神ファシュファルなんて、本当にいるのかすら…。
 一人では危ないから、我々に同行したくてでまかせを言ってるんじゃないですか?」

案の定、マーテルがそんな反応をした。

「いや、違うんですよ、ファシュファルが私にこの世界でプロジェクトをしろって言って!
 本当に体が金色にこう、ふぁーっと光ってですね?
 気がついたら森の中だったんです。いや、本当に」

廣田は必死で食らいつく。

「ぷろじぇくと…?
 良く分かりませんが、なんだか必死ですね…。メグさん、どう思いますか?」

マーテルが隣の魔道士風の女の子に話を振った。
魔道士風のメグが、無感情に淡々と答える。

「とても上位の魔法を使う時は、体が金色に輝くと聞いたことがある。
 例えば、転移の魔法。
 遠くから一瞬で移動できる魔法。
 でも、王国一の魔道士ケルンでもそんなすごい魔法使えない。
 そのおっさんが大魔道士にも見えない」

「なるほど。もしこの男が魔道士なら、言ってることは正しいかも、ということですが…」

マーテルが訝しむ。
ジュドーが次いで話す。

「本当に転移の魔法を使ったかもしれないじゃないか。
 まだ何の手掛かりも無いし、重要な情報だろう。
 どちらにしろ、このままほっていけば死体にしてしまう。
 君、名前は?」

「廣田 準乃介です。」

「ヒロタジュンノスケ…長いな、ヒロでいいか。ヒロも街を目指してるなら、俺達と一緒に来ればいい。一人でいるよりは安全だ」

廣田は心から喜んだ。ジュドー様ありがとう、と。

「是非、ご一緒させて下さい!」

「まったく…。私は助けませんからね。ヒロとやらには回復アイテムも回しませんので」

マーテルが冷たく廣田を睨んだ。
メグは無表情で、廣田を無視している。
居づらい。だが、一人残されて死ぬよりはマシだ。

 

***

 

三人の後を廣田はついて行きつつ、ジュドーから色々と話を聞いた。
彼らはシュテリア王国の冒険者ギルドというものに登録している冒険者で、いわゆるフリーランスのワーカーのようなものらしい。
ギルドに登録すると仕事のオファーが来る。

今回は、明け方に森の方向で強い光が目撃され、その調査を急遽仕事として依頼されたということだ。

なにか目的があって、人を集める。
《《プロジェクトのようだな》》、と廣田は思った。
こんな時もプロジェクトだとか考える自分に少し白けた。
プロジェクトマネージャーばっかりしているからかもしれない。

廣田はチームで、何かを成し遂げることが得意だ。そして、それが大好きなのだ。
数々のプロジェクトを成功に導いた経験がある。
チームで難しい目的を達成したとき、えもいわれぬ達成感を感じる。

今朝も、プロジェクトが終わり、そんな達成感を感じていた。
が、その矢先にこんな場所である。
プロジェクトマネージャーをしていた日常とは全く異なり、もはやここは、文字通りの異世界

ファシュファルによればこの世界を良くするために廣田を転移したとのことだが、何をすればよいのやら。
プロジェクトを任せるのなら、背景を教えるのは必須だろう。
そんなことのこの世界の神は知らないとすれば、この世界においてはプロジェクトマネジメントの概念など皆無なのだろう。

廣田は、とにかく今は冒険者の彼らにすがるしかなかった。

「いつも、三人で仕事されてるんですか?」

廣田はジュドーに尋ねた。

「いや、この三人のパーティーは初めてだな。急な依頼だったから、寄せ集めの人員って感じだ」

「寄せ集め、ですか…」

確かに、三人の仲は良さそうには見えない。さっきのジュドーとマーテルの会話もなんだかよそよそしかった。
ジュドーが言葉を返す。

「寄せ集めって言っても、かなりの実力者が集まっているから安心しな。
 俺はまぁ、そこそこの戦士だが、この森のモンスターなら倒せなくはないさ。
 あのメグって娘は、若いけどシュテリアでもかなり名のしれた魔道士だ。
 マーテルは道具使いって言って、アイテムに精通してる。その道のプロってやつだ。」

後ろに続いていたマーテルが小声で言った。

ジュドーさんも、難易度高ランクのモンスター討伐数、半年間トップじゃないですか。
 そこそこの戦士なんて表現、嫌味ですね」

「いや、たかが半年だし、まだまだだよ」

ジュドーが答えた。
三人とも手練ということらしい。
廣田は生きて帰ることに、さらなる希望が見えた。
廣田はジュドーに、さらに尋ねる。

「そんなに強い人たちが、よく急に集まりましたね」

「ああ、普通はこんなことないんだけどな。
 今回は光の調査の依頼の他に、もう一つ難易度が高い依頼があってな…」

「難易度の高い依頼…?」

「そう、もう一つの依頼ってのが…」

ジュドーは話している最中に、真剣な顔になり手で廣田を遮った。

「モンスターだ。気付かれないように、じっとしてろ」

廣田はジュドーの目線の先を見た。
木々の切れ目から、遠目になにか見える。
それは巨大なカマキリのような生き物だった。
距離があるのに、かなり大きく見える。
高さが3メートルは超えていそうだ。
良く見ると、ライニャスを大きな鎌でおさえ、捕食している。

「…!?」

廣田は驚きの声を必死で抑えた。

 

ジュドーがボリュームを下げて話す。

「キラーマンティスだ。
 最近、あいつが森に現れた。
 普通の冒険者じゃ歯が立たないランクのモンスターなんだ。
 だから、実力のあるメンバーでパーティーが構成された。
 光の調査以外の、もう一つの難易度の高い依頼ってのは、キラーマンティスの討伐だ」

「え、あれと戦うんですか!?」

超巨大カマキリ。
どう見ても人間が生身でどうにかできる大きさではない。
なんだ、この人達は本当にゲームの世界の住人のように、超人的な力があるのか?
確かに、ライニャスは一瞬で倒してたけど…
廣田はそんなことを思い、不安な顔をする。

「あのランクのモンスターは、滅多にこの辺りには来ないはずなんだが、あんな感じでうろついているんだ。
 キラーマンティスは雑食で、人間も襲う。
 硬い装甲に覆われていて、並の冒険者ではダメージを与えられない、とても厄介な相手だ。
 放置していると、冒険者が森を敬遠して依頼がこなせなくなってしまうから、ギルドから光の調査と共に討伐の依頼が出たんだ」

「ということは…?」

廣田は恐る恐る聞いた。

「あれを討伐する」

予想通りの返事が返ってきた。
その時、マーテルが口を挟んだ。

「依頼としてはキラーマンティスの討伐もありますが…あのサイズはかなりの大きさですね。
 やめておきませんか?急場で構成されたパーティーより、しっかり準備したパーティーの方が良いでしょう。
 怪我でもされたら、余計なアイテム消費で儲けが減りますから。
 迂回しましょう。
 もうそろそろ帰路につかないと日が暮れます。
 森で夜を迎えることが危険なのは、ご存知でしょう?
 まぁ、この怪しい男が見つかったので、成果ゼロではないですし」

ジュドーがそれに答える。

「確かに、もう街に戻るべきなのはその通りだな。
 でも、迂回って言っても、見つかる可能性があるだろ。
 街はキラーマンティスがいる方向なんだし」

「まぁ、確かに匂いで気づかれるかもしれませんね…。
 キラーマンティスの好物であるライニャスの返り血を浴びてますから。
 ジュドーさんと…その男」

マーテルはそう言いつつ、廣田のグレーのスーツの端に付いた血の跡に目を向ける。
ジュドーがライニャスを切った時に、廣田にも血がついていたのだ。

マーテルが続けた。

ジュドーさんは見つかってもなんとでもなるでしょうが、そこの男はライニャスも倒せないようですから、ひとたまりもないでしょうね。
 私はキラーマンティスに気が付かれたら、すぐに逃げますよ」

ジュドーがマーテルに反論する。

「おいおい、メグは回復魔法は使えないらしいんだ。
 回復アイテム無しで相手しろってのか?」

「あんなの、倒さなくても倒したと言っておけば良いんですよ。
 この森にいるのが一体だけかどうか分からないですし」

「そんなふざけたマネできるかよ!」

ジュドーとマーテルは言い争いを始めた。
廣田はゾッとした。
あの巨大カマキリが自分を襲ってくれば、確実に殺られる。
さらに、冒険者たちが仲間割れしている状態ならば、ばらばらに行動されて廣田一人はぐれるかもしれない。
見た感じ、ジュドー以外は助けてくれそうにない印象だ。

これは、仲間割れせずにこの三人できちんとキラーマンティスを倒してもらわないと、自分の生存率がぐっと下がる。いや、死ぬ。
廣田はそう思った。

「あの…みなさんは何が目的でこの依頼を引き受けたんですか?」

廣田は遮って聞いた。
ジュドーが答える

「俺は、もちろん依頼を達成して困っている人を助けるためだ」

次に、マーテルが口を開いた。

「依頼の達成で報酬をもらうためですよ。
 だから、出費は抑えたいんです」

しばらく間が空いた。
メグも答える。

「成り行き…あえて言えば、生活費のため」

廣田は思った。
これは、三人の目的が合っていない。
この光の調査&キラーマンティス討伐の依頼を一つのプロジェクトとした場合、非常にまずい。
目的が統一されていなければ、各人が好き勝手に行動してしまう

「なんだか、こんなプロジェクト、以前見たことがあるな…」

廣田はつぶやいた。

 

廣田は、メンバーの目的が合ってないプロジェクトに途中で入った時、廣田は苦労した経験がある。

ある企業の購買のITシステムを作り上げるプロジェクトだった。本来は購買の仕組みを効率化し、購買にかかる時間を短縮することが目的だ。
だが、システムを作ること自体が目的になり、システムが動けばいいじゃん、そこまでする必要ある?と言って便利な機能作成をサボろうとするメンバーや、費用を落とすことばかり考えるメンバーが足を引っ張り合っていた。

その際、廣田は途中参加のプロジェクトマネージャーとしてプロジェクト目的の明確化を行った。
顧客の要望を、費用内で可能な限り、実現する。

その目的のもと、顧客要望をリストアップしてメンバーに共有し、実現すべきシステム内容をチームで認識合わせをした。

何のために何をするのか。これがメンバーで合っていれば、個々の動きの整合性も合い、チーム内での軋轢は減る。

チームの動きが格段に良くなったことを覚えている。

ヒロはボソッとつぶやいた。

「プロジェクトマネジメントの極意。メンバーに目的を認識させる」

この冒険者たちは、三人で目的がずれている。

ジュドーは依頼を達成して人を助けること。
マーテルは依頼の報酬を、最小限の出費で得ること。
メグも、生活費のためということは報酬目的だろう。

このままでは、チームワークは弱く、キラーマンティスに相対した時に実力が発揮されないように思えた。何より、そんな中に放り出された廣田の命は危ないだろう。

廣田は、この冒険者たちの目的を統一することにした。

「この依頼、何を以てギルドから報酬が支払われるんでしょう?」

廣田がマーテルに尋ねた。
マーテルが苛つきながら答える。

「今、そんなことを話して何になるんです?」

「あなた達のお役に、きっと立てます。
 この状況、打開したくないですか?」

マーテルが廣田を睨めつけながら答えた。

「なんだかうっとおしい人ですね…。
 光の調査については、何らかの情報提供で報酬がもらえます。最低でも30万レ厶。
 キラーマンティスは討伐は一体につき30万レムです。体の一部を証拠として提示すれば金額上乗せです。」

話の流れからすると、レムというのは通貨の単位なのだろう。
廣田は答える。

「なるほど。
 今の時点では『私を発見した』という光の調査の報酬を貰えると。それ以外に報酬は無しということですよね?」

「まぁ、そういうことですね。」

廣田はマーテルに近づき、小声で話しかけた。

「先程、マーテルさんはキラーマンティスを倒したことにすれば良いっておっしゃいましたよね?
 それでも30万レム報酬は増えますが、ジュドーさんがそんな嘘を見逃すとは思えませんよね…」

「…確かに。あのキラーマンティスを倒して身体の一部を持って帰れば、報酬は60万レム以上になりますね…。
 キラーマンティスを倒したことにする、という選択肢がジュドーさんの正義感のせいでとれなさそうな今の状態では、それが報酬的にはベターです」

「でしょう?だから、ジュドーさんとメグさんと協力して、キラーマンティスを討伐しましょう!」

マーテルは少し悩み、答えた。

「…仕方ないですね。
 分かりました。良いでしょう」

廣田はメグの方を向き、話しかけた。

「メグさんも、生活費は多いほうがいいでしょ?」

「…ええ」

マーテル、そしてメグからキラーマンティス討伐に肯定的な答えが得られた。
廣田は心の中でガッツポーズをした。

ジュドーさん、あのキラーマンティス、みんなで倒しましょう!」

私は戦わないけど。そんな言葉を心の中で続けた。

「よし、ならば、行くぞ!」

ジュドーが叫んだ。

うまくいった。廣田はそう思った。

三人の目的を、”キラーマンティスの討伐”に合わせたのだ。

元々ジュドーは依頼の達成自体が目的なので、キラーマンティスの討伐にやる気満々だ。

一方でマーテルとメグは、金が目的だったのでキラーマンティスを必ずしも倒さずに報酬を得る、という選択肢を持っていた。
そのままの状態では、キラーマンティス討伐に力を入れない可能性がある。

だが、報酬を得るにもキラーマンティス討伐が有利だと思わせれば、三人の目的は合致すると廣田は考えたのだ。

そして、その考えが功を奏したようだ。

 

「メグの魔法で遠隔から攻撃した後、俺が切り込む。
 マーテルは、メグに魔力アップの薬を」

ジュドーがそう言った。
マーテルはアイテム消費のためか、返答に少し間が空いたが、キラーマンティス討伐の報酬と自分の中で折り合ったのか、分かりました、と答えた。
メグもうなずいた。

マーテルがメグに粉のようなものを振りかけた。
メグの体が薄く淡い光に包まれ、すぐに消えた。
メグが何やらぶつぶつ唱えた後で、杖を前に出した。

「ライトジャベリン!」

メグが魔法を放つ。
光輝く槍のようなものが3本、杖の前で宙に浮く。
次の瞬間、キラーマンティスへ意思を持つかのように一直線に飛んで行った。
その内の二本は大きな両腕の鎌で払い落とされ、ガラスが割れるような音とともに消滅した。
一本はキラーマンティスの腹にグサリと刺さった。
ジュドーが続いて、大きく屈んでモンスターの足元に走り込む。

華麗な剣術捌き。
キラーマンティスの大きな鎌を避けつつ、少しずつ固そうな装甲にダメージを与えていった。

廣田の想像以上に、この冒険者たちはすごい。
あんな化け物と、対等以上に渡り合っている。

メグが光の槍で続けて魔法攻撃をする最中、キラーマンティスの前でジュドーが剣を両手で握り、力を込めた。
剣の刀身が赤く輝く。
数秒後、ジュドーがキラーマンティスへ飛び掛かった。

「炎龍斬!」

赤く輝く剣で、ジュドーがモンスターを横なぎに切り裂く。
鉄が切断されるような甲高い音。
キラーマンティスの大きな鎌ごと、胴体と首を切り離した。

「よし、一丁上がりだ」

ジュドーが剣を下ろしつつ、言った。
廣田が声を上げた。

「おお、これで依頼は全て達成ですね!」

廣田は喜んだ。
自分の一言で三人の目的が合わさり、あんな強そうなモンスターを撃退したのだから。
命が助かったという安堵感もあった。
1つのプロジェクトを終えたときのような、高揚感があった。

「そうですね。さっさとキラーマンティスの鎌の一部でも持って街へ帰りま…」

マーテルは街へ帰ろうと言いかけた途中で、目を見開いた。

「キ、キラーマンティス!?まだ、こんなにも!?」

森の奥から、キラーマンティスがこちらに向かってきている。
十数匹の群れだ。

「ちょっと、私は逃げますよ!あんな数、このメンバーでもただじゃすまない!」

マーテルはキラーマンティスが来る方と逆へ、走り出した。

「くそっ、マーテルのやつ!メグ、やれるか?」

ジュドーは迎え撃つつもりのようだ。

「ちょっと、あの数はきついかも。
 強めの魔法を唱えるには時間がかかるから…。ジュドーが前衛で持ちこたえてくれれば、倒せるかもしれない」

「回復担当が逃げちまったのが痛いな…。
 全力でいこう!
 ヒロ、お前は…えっと、がんばって逃げろ!」

さすがに、守る余裕なんてないよね。
廣田はライニャスに襲われたときのような、絶望感を再び感じた。

だが、一方で先程チームをまとめたという高揚感や充実感が残っていた。
まぁ、最後にこんな気持ちを味わえたから、いいか。
そんな気もした。

と、その時。

「え?なんか光ってる…」

メグが廣田を見てつぶやいた。
確かに、言われてみるとなんだか眩しい。
廣田は自分の体を見た。体が金色に輝いていた。

「確かに…私、光ってますね…」

自分でもなぜか分からない。
だが、不思議な感覚だった。
やけに力が湧いてくる。
メグが言う。

「まさか、本当に大魔法を使えるの…?」

大魔法を使う時は金色に輝く、そうメグが言っていた。
とは言え、廣田は魔法のことなど知らない。
実際、ライニャスに対峙した時も出せなかったのだ。
なにせ、ただのプロジェクトマネジメントが得意なシステムエンジニアなのだから。

だが、感覚的に分かった。
魔法なのか分からないが、とてつもないエネルギーが湧き上がってきている。

手が熱い。
キラーマンティスの群れが目前に迫っていた。
ジュドーが迎え撃とうとしている。

ジュドーさん、横に避けてください!」

廣田のその言葉を聞き、ジュドーがとっさに横に跳んだ。
廣田が手をモンスターの方へ向ける。
感覚的に、なぜかそうすれば魔法が使えると分かった。

大きな音とともに、手から金色の光線が放たれた。

ズッゴォォォォン!

ただのプロマネ
ただの人間。
ただの一介のシステムエンジニア

そんな彼が放った魔法は、モンスター共々見渡す限りを破壊し尽くした。

キラーマンティスの群れは、跡形もなく消え去った。
それどころか、森をえぐるように、一本の大きな大きな傷が大地に出来上がった。

ジュドーも、メグも唖然としている。

「なんか、出た…!?」

自分がとてつもないモンスターを倒した事実に、廣田は驚きの声を上げた。

こうして、廣田改め、プロジェクトマネージャー・ヒロの異世界生活が始まった。

 

★つづく★

言われたことしかしない人は、不安を抱いてるのかもしれない

こんにちは。

爽一郎です。

 

言われたことしかしないという人、いますよね。

そんな人々は、社会においては、結構お荷物的に扱われがちです。

 

何せ、今企業が求めるもののは主体性ですから。

 

2018年に経団連が行った調査が下記にまとめられています。

https://www.keidanren.or.jp/policy/2018/110.pdf

 

(4) 選考にあたって特に重視した点

「コミュニケーション能力」が第 1 位(16 年連続)、「主体性」が第2位(10

年連続)となった。

 

 

主体的に、自主的に動ける人間を求めているわけです。

指示待ち人間は歓迎されないのでしょう。

 

言われたことしかしない人となってしまう原因は、複数あります。

考えるという力自体が弱い人。

責任を取りたくないので、自主的な言動はしたくない人。

そこまで熱意がない人(そこそこでいいから手を抜いている)。

 

指示待ち人間は能力がないとか、能力はあってもさぼっているとか、そういう人々なのだと私は思っていました。

 

が、その昔、そうではない人がいたことを思い出したのです。

 

■言われたことしかしなかった友人

昔、友人が私に相談してきたことがあります。

恋愛の相談です。

 

友人「俺、Aのことが好きなのは知ってるよな?」

 

私 「うん、前に言ってたもんな。」

 

友人「どうしたらいいと思う?」

 

私 「どうしたらって…。どうしたいの?」

 

友人「そりゃ、そろそろ二人きりでご飯とか行きたいけど…」

 

私 「じゃあ、誘ったらいいんじゃない?仲良さそうに見えるし。」

 

友人「だけど、不安でさぁ。お前ならどうするかなと思って。」

 

私 「不安なら、まずは共通の友達と一緒にご飯行ってから、今度二人で行こうって誘ってみるとか…」

 

友人「おお、なるほど。そうしよう。」

 

私 「おいおい。俺は恋愛のスペシャリストでもなんでもないから、うまくいくかは分かんないよ?もっと自分で考えたほうが…」

 

友人「いや、自分で考えるの不安だし。お前は彼女いるから、きっとお前の方が正しい。」

 

まぁ、そんなやり取りでした。

友人は頭も良くて考える力もありました。

恋愛を成功させたいという意欲もありました。

 

しかし、彼は自分では考えず、私に言われたことしかしなかったのです。

(ちなみに、その恋愛は成就しましたが、二人はすぐに別れました…)

 

その友人は、私の思う「言われたことしかしない人間」の特徴に合致しない、と最近になって思ったのです。

なお、その友人がしきりに不安だと口にしていたことを覚えています。

 

■人は不安になると周りの行動に頼る

アリゾナ州立大学の心理学教授、ロバート・B・チャルディーニ教授は著書『影響力の正体 説得のカラクリを心理学があばく』の中で語っています。

人に影響を与えるものの一つに、「社会的な証拠」がある、と。

 

わたしたちは、ほかの人たちが正しいと考えていることをもとにして、何が正しいかを判断する、ということです。

 

 

多くの人が、周りの大多数のやっている人がやっていることを「正しいこと」と認識し、影響されるということです。

あなたにも身に覚えはあるでしょう。

みんながやっているから、きっと大丈夫だ、という経験が。

 

そして、チャルディーニ教授はさらに言います。

 

社会的な証拠に最も強く影響を受ける人というのは、ある状況になじみがなかったり不安を覚えている人で、その結果、その状況で最も正しい行為の証拠を自分の外に求めてしまう人なのです。

 

不安を覚えると、人の行動をうのみにする、という傾向が強くなるというのです。

 

『影響力の正体 説得のカラクリを心理学があばく』の中では、人々の不安を利用して大きな影響力を使った例として、ジョーンズ・タウンの集団自殺事件を挙げています。

 

1977年、集団における、政治的、社会的、精神的なリーダーであり、絶対的な存在でもあった教祖ジム・ジョーンズが、集団とともに南アメリカガイアナにあるジャングルに入植、その地で人民寺院は、比較的ひっそりと存在していました。ところが1978年11月18日、下院議員レオ・J・ライアン率いる実情調査団がジョーンズタウンから飛行機で帰ろうとしていたとき、そのうちの4人が殺害されたのです。ジョーンズは、自分がこの件に関与していたといって逮捕されれば、人民寺院は終わってしまうと思い、自分のやり方で寺院の後始末をつけられないかと考えました。そこでジョーンズはすべての信者を集め、集団自殺という形で、各人が命を終わらせるよう呼びかけたのです。

 

〜中略〜

 

ジョーンズタウンの住民で、ジョーンズの命に従わずに逃げだしたのはほんのわずか、逆らった者も2、3人だったとの報告があります。けれど生き残った人たちは言いました、910人いた住民の大多数は、自らの意志で整然と死んでいったと。

 

910名ものの人々が、ジョーンズの命令で集団自殺したのです。

しかも、自らの意志で。

 

これを、チャルディーニ教授は、人々の不安を利用した影響力が働いたと述べています。

ジョーンズタウンの住民たちはみな北米の人間で、南米のガイアナは見知らぬ土地でした。

そこに連れてこられたの上に、ガイアナの住民からジョーンズタウンの住民たちは敵視されていたと言います。

ジョーンズタウンの住民たちは慣れぬ土地で、強烈な不安の日々を過ごしていたことでしょう。

その不安の中、自分たちの指導者たるジョーンズに自決する指示を出されたのです。

一人が毒を飲んで自殺すると、住民は次々に真似て自殺していったと言います。それが救いであると信じて。

 

 

自分で考えて、こうしたら良いと分かっていても不安でできない。

だから、他の人の言動に頼るのです。

 

人は不安になると正しそうなものに従おうとする。

時にはジョーンズタウンの人々のように命さえも絶つ。

 

私に恋愛相談をした友人は、不安になって私の言う事に頼ったのです。

 

冒頭の言われたことしかしない人は、同じ状態であるかもしれません。

 

仕事のやり方がわからず、自信が持てない。

不安だから言われるがままのことしかできない。

不安だから、優秀そうな人や上司や、周りの人の言うことをそのままやる。

 

考える力があるのに指示したことしかしない。

そんな人がいるなら、「さぼってんじゃねーよ」と思う前に、「何か不安に感じてることある?」と声をかけるのが一番なのです。

 

 
下記Line登録で、ブログの更新をLineの通知でお知らせいたします!
マネジメント力向上、習慣定着等のご相談もお待ちしております!

 

★終わり★