凡人が成果を出すための習慣

残業ゼロで成果を出すには、どうしましょうか?

トランプに中国。勝つためには何でもする軍勢が怖い

こんにちは。

爽一郎です。

 

アメリカ大統領選挙が終わりつつあります。

とは言え、この記事の執筆時点では、まだ決着はついていません。

バイデン氏が当選確実と報道されつつも、トランプ氏は敗北宣言をせずに法廷闘争に入ろうとしています。

 

率直に言って、私はトランプ氏に勝ってほしくありません。

 

これは、政治的思想からではありません。

勝つためなら何やってもいい、という軍勢が勝ち続けることを恐れているからです。

 

 

■圧倒的勝者と圧倒的弱者を作らないためにルールがある

世の中は弱肉強食です。

お金は無限にあるわけではないので、誰かのもとに集まれば、誰かのもとから去ります。

景気が良くなれば全体的な裕福度はあがるものの、原則的には限られたリソースを奪い合うことが資本主義なのです。

 

だから、勝者や敗者が生まれます。

 

とは言え、競い合う中には不平等にならないためのルールがある程度存在します。

全ての人を救うことはできませんが、圧倒的不平等を減らすため、ルールが定められます。

 

例えば、奨学金制度。

お金がなくて学校にいけない人のために、学費を貸与または給付する。

学生の貧富の差という不平等を少しでも解消する制度です。

 

例えば、不正競争防止違反。

自社の独自の技術や知識を、他の企業に漏洩することを禁止しています。

そうしなければ、圧倒的な資金を持ち、他企業から知識保有者を誘致できる企業はすべての知識や技術を総取りできてしまいます。

 

社会全体のことを考えられて作られたルールは、数多く存在します。

こういうモノが無ければ、中世のように圧倒的な強者が弱者を支配する階層社会になるのでしょう。

 

 

ただ、そういったルールを無視したり、抜け穴を探したりして、勝つためなら何をしても良い、という活動をする人はいます。

とは言え、多くのそんな活動は、ルールに不適合であるため、淘汰されていきます。

 

 

かつてMicrosoftはシェアが大多数を占めていたWindows95にブラウザであるInternet Explorerを標準搭載したことで、NetScape社などからブラウザのシェアを奪ったことから独占禁止法違反で訴訟を起こされました。

当時Windows95を開発した中島聡氏がどういう気持ちでInternet Explorerを標準搭載したかと言えば、インターネットの普及を見据えた先見の明なのだとは思います。

そのあたりは下記の本に記載があります。

 

 

ただ、シェアをとったものに他の自社製品をどんどん乗せていこう、という圧倒的強者の考え方は、Noを突きつけられました。

 

あれから20年経ちますが、今のMicrosoftは、他のIT企業と共にIT業界をけん引しようという考え方となっています。

ブラウザはグーグルのChromeベースになり、Microsoftのクラウド製品は他のIT企業が開発したサービスとの連携が可能になっています。

業界全体で世の中を良くしようとなければ、Microsoftは発展できないという、CEOサティア・ナデラ氏の考えなのかもしれません。

 

 

■ルール無用で勝利する軍勢

ルールを守らなければ淘汰される。

基本はそうなのです。

が、ルールの制約をものともしないさらなる圧倒的強者が現れてきています。

 

 

知人から話を聞いたのですが、中国企業から日本企業への勧誘メールが激増しているようです。

中国は製造業で2025年までに強国となるため、「中国製造2025」という経済政策を掲げています。

 

日本の製造業は最盛期に比べら陰りは見えてきたものの、それでもまだまだ一部の分野では高い技術力があります。

中国企業は大きな知識と技術力がある日本から、それらを得ようとしているのです。

 

積水化学で情報漏洩があったことは記憶に新しいです。

 

www.sankei.com

 

 元社員は当時、技術開発部門に所属し、営業秘密を管理する義務があった。潮社の社員から技術情報の交換という名目で営業秘密を教えるよう求められたとみられ、これまでの調べに、「積水化学が持っていない技術情報を交換で教えるといわれ、いけないこととは分かっていたが、社内での研究者としての地位が高まると思った」などと供述しているという。

 

 潮社の社員は、ビジネスに特化したSNS「LinkedIn(リンクトイン)」を通じて元社員に接触。当初は積水化学の取引先で、中国にある別の電気製品関連会社の関係者を装って連絡を取り始め、中国に招いた後に潮社の社員であることを明かしていた。

(記事から引用)

 

これは先ほど述べた不正競争防止法違反ですね。

今回の事案は氷山の一角であって、少なくとも製造業においては日本中で行われていることなのだと思います。

なお、この元積水化学の社員はファーウェイに転職しているようで、もう中国は情報を得るためならなんでもやってくるわけです。

国をあげて産業スパイをされれば、完全に止めることはとても難しいでしょう。

数年後には中国企業にそれなりの技術や知識が蓄積されていくことになります。

そうして中国は目標達成に近づいていくのです。

 

南沙諸島でも中国は開発を勝手に進めて実行支配を進めています。

国際ルールを無視した行いですが、30年もすれば事実上中国が支配する島、になってしまうのです。

 

 

トランプ氏も政治家と言うよりはビジネスパーソンであり、勝つための手段は選ばない人間です。

そういう人が求められ、4年前に当選したのだと思います。

 

そんな、勝つためには何をしても良いと思っている軍勢が力を増してきているように思えて、私は恐怖しています。

そうなれば、真面目な日本はきっと勝てなくなる。

優しい人ほど敗者になり、狡猾な人間の争いになる。

そんな社会で生きていくのは、きっとつらいだろうなと思うのです。

 

だからこそ、今回はNoを突きつけられて欲しいと願っている。

それが、私がトランプ氏に勝ってほしくない理由なのです。

 

 

■勝つためには何でもしなければならない”そういう世の中”が怖い

あくまで弱肉強食な世の中において、私の考えは甘いのかもしれません。

実際、中国がルール無用で力を増しているのは事実です。

 

テレビ番組のワイドナショーで大統領選挙の話題となった折、三浦瑠璃氏がこう言いました。

news.goo.ne.jp

 『 それでも松本は「僕が言っているのはもっとシンプルな話。半分の人が今の不満を抱えている。逆やったとしてもバンザイじゃないだろうと思ってしまうんですけど」と食い下がったが、三浦氏は「ぬるま湯の日本政治に住んでるからそれが言える。米国みたいに本当に民主と共和が拮抗したら、仁義なき戦いで最後の一票まで取りにいく」とたしなめた。』(記事から引用)

 

ぬるま湯に日本政治の中にいるから、私はこれまで話してきたような考えなのかもしれません。

少なくとも勝つためには何でもしないと生きていけない世界に、私は生きていないのは確かです。

ぬるま湯から出たくないから、トランプ氏や中国の政治を快く思っていないだけなのかもしれません。

 

ただ、そんな社会で行きたいと思うのでしょうか?

本当の強者だけが楽しめる世界です。

普通の人はどうなる…?

大多数の凡人は生きていけるのか…?

 

 

それでも、トランプ氏が法廷闘争で勝利したり、中国がルール無用で強大になっていけば、”そういう世の中”になっていきます。

強者でない人間が”そういう世の中”で生きるために、覚悟を決めなければならないときが来るのかもしれません。

 

★終わり★