凡人が成果を出すための習慣

残業ゼロで成果を出すには、どうしましょうか?

一貫性がない理不尽な上司のもとで働くことは、拷問に等しい

こんにちは。

爽一郎です。

 

私が学校に通っていたころ。

いつもは穏やかなのに、急に怒る先生がいました。

その豹変ぶりは本当に驚きであり、優しい静かな口調から一瞬で

「なんででけへんのじゃゴラァ!」

というミナミの帝王に出てくるそり込みが入った人のような話し方に一変するのです。

 

ただ、豹変ぶりよりも我々生徒が戦々恐々としていたのが、

何がきっかけで怒るのかわからない

ということでした。

 

ある時、一人の生徒が教科書を忘れ、

「なんで忘れとんのじゃゴラァ!」

と叱責を浴びました。

 

ただ、別の日に他の生徒が忘れても

「Aさんに見せてもらってください」

と穏やかに伝えるだけだったりするのです。

 

そんなことが多々ありました。

生徒の選り好み?

いや、そんな感じでもない。

 

当時の私には、めちゃくちゃ気分屋なヤバい先生にしか見えなかったのです。

 

今思い返せば、先生は定期的に、生徒たちに舐められないようにめっちゃ怒るパフォーマンスしてたのだと分かります。

クラス替えの初回の授業で必ず怒るパフォーマンスをしていましたし。

学級崩壊のような授業がある一方で、実際、その先生の授業では生徒たちはみな大人しいものでした。

 

とは言え、そんなことを察知できなかった当時の我々には、何がきっかけで怒るわからないヤバい先生に見えたのです。

その先生の授業は恐怖でした。

先生の意図通りに授業はつつがなく進行していたかもしれません。

ただ、生徒たちは不用意な行動をしないこと、先生の言うとおりにすることが安全と思い、自主的な考えは封殺されていたかもしれません。

 

 

先生の中には考えがあってのパフォーマンスだったのでしょうが、周りから見たらヤバい理不尽な奴だったわけです。

 

そんな人は社会のいたるところにいるのだと思います。

 

 

■理不尽な上司、一貫性のない上司

嫌な上司の特徴は?

 

この問いへの回答は、少しネットで調べるだけでもたくさん出てきます。

 

日本のサイトでも、海外のサイトでも。

tenshoku.mynavi.jp

 

 

https://www.swnsdigital.com/2018/04/more-than-one-third-of-the-british-workforce-is-convinced-they-could-do-a-better-job-than-their-boss/

 

グローバルに話される議題のようですね。

こういったアンケートの上位に挙がって来るものの一つは「自分勝手」、だったり「理不尽」だったり、「気分屋」だったり。

つまり、「一貫性がない」ということです。

上司には上司なりの意思決定理由があるのでしょうが、上司の中だけの独特の思考で判断され、部下から見ると理不尽だったり自分勝手に見える。

以前と言っていることが違う、となり、一貫性がなく見える。

 

ミナミの帝王へ豹変する先生と同じです。

 

結局、あなたの期待を満たすにはどうしたらいいのさ!

 

そんな状態に、部下からするとなってしまいます。

 

 

上司の嫌なところアンケートで上位に上がるぐらいに、そんな一貫性のない人々がいるということでしょう。

その環境で働くことは、思っている以上に脳へ負担を与えています。

もう、拷問に近い。

 

 

■マインドコントロールの準備は疲弊から

一貫性のない人の指示のもと働くことの、何がどう拷問なのか?

 

マインドコントロールという本にその説明があります。

 

 

 

本書によると、マインドコントロールの方法は下記の段階があると言います。

 

第一段階

 脳を徹底的に疲弊させ、考える能力を奪いとる

 

第二段階

 疲弊した状態で、救いとして新しいことを刷り込む

 

 

ソ連で戦争捕虜に対して行われていたマインドコントロールは下記のようなもの。

第一段階として、長い期間孤独な状態で監禁し、壁に向かって立つなどの無意味なルーチンワークをさせる。

安眠を奪うことで睡眠も不規則にし、食事も不十分にする。

詰問や拷問を不規則に行い、精神的にも肉体的にも疲弊させる。

第二段階として、疲弊した捕虜に対して自分の「過ち」を認めさせたり、スパイ的活動をさせることでこの状況から解放されると伝える。

 

考える力を失った捕虜は第二段階の提案を受け入れてしまうと言います。

 

オウム真理教のような団体も、脳を疲弊させるために「修行」させたようです。

 

多くのカルト教団が、入信候補者を缶詰にして、外部と接触を断たせ、入信を迫る場合も、オウム真理教が、信者を外界から隔離されたサティアンに住まわせ、単調な「修行」以外のことが何もできないようにしたことも、情報遮断によって、脳の正常機能を失わせ、その人本来の判断力を奪うという原理が用いられている。

 

 

ようは、マインドコントロールの準備は脳を疲弊させ、自分で考える能力を奪うことなのです。

もっと極端な表現を使えば「人格を壊す」ことです。

 

そんな、人格を壊す方法として代表的な方法が「無意味なことをさせる」です。

 

先のソ連の例では、無意味に壁に立たせるというようなことを捕虜にさせていました。

また、何をしても怒られる、理由もない激しい叱責を捕虜に与えていたとも言います。

何が正解か分からない。

この行動に意味があるのかわからない。

 

これは、人間の脳を疲弊させ、人格を崩壊させるために有効な手段なのです。

 

本書にそれを端的に表して一節があります。

 

無意味なことをやらせることで、達成感や作業の喜びを奪い、いっそうストレスを強めることを意図する。

 さらに、先の見通しを奪い、常に高いレベルの不安と緊張に晒し、希望と絶望の間を行き来させることで精神的に消耗させる。わざと親切にするかと思うと、激しく罵倒し、打ちのめす。それも、大した理由もなく態度を変える。それによって、当人を混乱させるのだ。

 そうした境遇に長期間置かれると、主体的に行動するということは一切見られなくなり、相手の顔色だけをうかがい、それに合わせて行動するということしかしなくなる。その状態は、虐待を受け続けている子どもの状態に酷似していると言えるかもしれない。

 

無意味と思えることを延々とさせられれば、人は弱ります。

さらに、何をしても罵倒されるような状況に起き、何が正解かわからない状況を繰り替えす。

「被害者」は自分で考えても解が得られないので、自分で考えることを放棄する。

そうして、人の言うことを鵜呑みにする。

 

そのうえで考えを上書きすれば、マインドコントロールの完了です。

 

これを読んで思ったことがあります。

理不尽な上司のもとで働くことは、マインドコントロール被害者が受ける苦痛と共通点がある、と。

 

 

■理不尽さの元で、脳は消耗していく

戦時下の拷問では、洗脳のために睡眠時間を奪うことや食事を不規則にするなどの、肉体的な苦痛も合わせた行われていました。

理不尽な上司の元で働いていても、よっぽどのブラック企業でない限りはそのような拷問体験は受けないとは思います。

 

ただ、先ほど述べた「無意味な作業の強制」は良くあることだと、私は思います。

と言うのも、理不尽な上司、一貫性のない上司の元で働くことは、仕事を無意味な作業と感じてしまいかねないためです。

 

 

「パワポ、Aさんが言ってたように直しておいて!」

せっせと直してレビューすると…

「違うよ、Aさんがこう言ってたからって鵜呑みにしないで、ここはこんな表現にしないと!」

なんて言われたりする。

 

なら、初めからそう言ってよ…と思いますよね。

初回のパワポ修正が無意味な作業に思えてしまいます。

 

もちろん、上司からすれば初めから一貫した考えがあったのかもしれないし、修正されたパワポを見た結果として新たな指摘を思いついたのかもしれません。

ただ、それが伝わらなければミナミの帝王先生と同じで理不尽に見えるのです。

 

 

これは、さらに悪い状況になると、マインドコントロールの準備段階同様に「自分で考える」ことをしなくなってしまいます。

上司の考えに一貫性がなく、部下がそれを読めない場合、もう従うしかない!と思ってしまうのです。

 

 

 

仕事の意味を伝えない「とにかく従いなさい」な上司

仕事の期待や成果を評価する基準を明確に伝えない上司

 

こんな人の元で働くのは、拷問と同じなのです。

理不尽や無茶ぶりへ対処できる方法を身に付けなければ、消耗する一方です。

 

以前、そういった状況の対処法として記事を書きました。

 

bonzinkun.hatenablog.com

 

曖昧な指示を受けたときには、

・指示のゴールとタスクの明確化

・指示の明文化

・指示の必要性の提示

を意識して自らゴールを確認し、それを書き出し、指示を出した側に書き出したものをメールなどで送って明確にすればよいのです。

 

 

ただ、そんな対策をとっても拷問から抜け出せない職場にいるならば、自分の考える力を奪われる前に、身の振り方を考えたほうが良いかもしれません。

 

★終わり★