マジでエモい。
最近エモいことが多い。
疲れてるのか、良く感情動くわ。
…と慣れない表現を使ってみました。
先日見たしゃべくりセブンというバラエティ番組で、女子高生の間で「エモい」という言葉がはやっていると知りました。
「なんか感情がうごく感じの時に使う表現」っぽいです。
以前「ヤバい」が流行っていた気がしますが、同じような表現かなぁと思います。
これらはすごく曖昧な言葉で、私は使うのが苦手です。
本当にこれで自分の伝えたいことが伝わるのかなぁ、なんて思うと、使いづらい。
でも、曖昧だからこそ便利、ということも事実です。
こういう言葉も使いこなせてこそ、コミュニケーションの達人だよね、と思うのです。
■便利用語「エモい」
エモい。
便利な言葉だと思います。
「ヤバい」同様にいろいろな時に使えます。
・この映画、エモいわ~
・昨日ドタキャンされて、一人で街をさまようはめになってエモかった…
・その話、エモすぎ!!!
なんか、万能感すごい。
良い意味でも悪い意味でも使える。
エモいってエモすぎ。
というのは、この言葉が曖昧な言葉だからです。
曖昧で意味が定義しづらい言葉だからこそ、いろいろな場面に使えます。
こういった言葉は、コンテキストというか、住んでいる世界が同じ人ほど、少ない言葉で言いたいことが伝わる、という良い点があるように思います。
例えば、女子高生同士であれば、感覚も似ています。
モデルが海辺に立っている写真を出して「この写真、エモくない?」と聞いたとして、「なんか海とモデルのハーモニーがすごい」というような同じ感覚を抱きます。
これが、一般的なおっさんに聞いたとしたら、「海で悲しげに立っている感じだなぁ」なんて思うかもしれません。
同じエモいでも、感覚が異なると受ける意味は異なります。
が、女子高生同士だときっとそういった感覚のずれは少ない。
そう考えると、とてもいろいろなことを表現できる、便利な言葉なのです。
実際、言葉を選ぶ、というだけでも真剣に考えると面倒な作業です。
先程の海辺のモデルの写真の説明に
「この写真、モデルの姿勢が良く、凛としていて、海の美しさと相まって元気を与えてくれるように見えるよね?」
なんて表現をいちいち日常生活で考えるのは、正直しんどいです。
それを「エモい」の一言でうまく伝えられるのだから、便利な言葉を発明したなぁ、と思います。
■ビジネスではエモいってなんぞ?となる
が、冒頭で言ったように私はこういう言葉を使うのが苦手なのです。
というのは、コンテキストが異なる人と会話することが多いからです。
ビジネスにおいては、おそらくみんなそうなのでは、と思います。
年齢層も様々ですし、同じような人間だけでつるむ、なんてこともできません。
そういう状況下では、言葉の定義はとても大事なのです。
誰に伝えても、同じように受け取られるような言葉を使わなければ、ビジネスでは問題が起きます。
上司「A君、来週の提案に備えて、エモい資料作っといて。」
A君「エモいって…。どんなんですか?」
上司「それは、ヤバい感じだよ。お願いね。」
まぁ、A君は困りますよね。
これは極端な例で言ったので当たり前に思えますが、実際に曖昧な言葉を我々は使いがちです。
上司「A君、来週の提案に備えて、顧客の要望通り資料作っといて。」
A君「顧客の要望通りって…。どんなんですか?」
上司「それは、前に顧客と調整した内容だよ。お願いね。」
”エモい”を”顧客の要望通り”に、”ヤバい”を”前に顧客と調整した内容”に変換しただけですが、なんだかありそうな会話ですね。
この、「顧客の要望」とか「顧客と調整した内容 」が明文化されていなければ、結局エモいとかヤバいと変わりません。
A君の裁量で内容は理解されるのです。
A君の裁量で理解した内容が、上司が思うものと違えば、上司が期待した成果は得られません。
A君がめちゃくちゃ優秀でない限りは。
■TPOで曖昧な言葉も使える人になりたい
ビジネスでは言葉の定義は大切で、エモい表現は適さないとは思います。
が、コミュニケーションが曖昧な言葉で円滑になることは事実です。
だから、TPOで曖昧な言葉も使える人間が、コミュニケーションの達人なのだろうと思うのです。
やっぱり、毎回ばっちり適切な表現を探しながら会話し続けるのは大変です。
自分と相手の共通度を考慮して、伝わりそうな時は、曖昧な表現を使っていくほうがスピーディです。
コミュニケーションについて考えるということは、エモい。
そう思いませんか?
★終わり★