みなさんこんにちは。
爽一郎です。
先日、めっちゃ自分のフィードバックをもらいました。
会社の評価とかではなく、自分がどんな振る舞いをしているか?というフィードバックです。
辛い指摘もありましたが、とても良い経験でした。
■自分を知らないって、恐ろしい
自分のことは、自分が一番知っている。
自分の個人情報、という点では、それは正しいでしょう。
しかし、自分がどんな人間か?ということになると、正しいとは言えなくなります。
人間には様々な認知的な癖、いわゆるバイアスとか偏見とか言われるものがあります。
そして、それを通して我々は世界を見ています。
個人情報のような事実はさておき、
自分がどんな人間であるか?
社会的に振る舞っているか?
自分が周りにどんな影響を与えているか?
という「認識」が必要な内容になると、必ずバイアスが入る主観だけでは適切な姿は見えません。
自分の思う自分は、往々にして客観的なものとは異なります。
自分はみんなに好かれていると思っているけれども、陰口をたたかれている人。
自分は仕事ができると自信があるけれども、周りからは仕事の仕方で問題視されている人。
自分は周りに頼られる優しい存在と思っているけれども、実はメンバーは怖がって本音を言えない。
それは、裸の王様というやつかもしれません。
そんな存在にならないためには、周りからの客観的な意見、フィードバックを得ることは必須なのです。
■自己認識を高める
というわけで、冒頭にあるように、私は何人かからフィードバックをもらったのでした。
何がきっかけかと言えば、下記の本を読んだことです。
『insight(インサイト)――いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力』
自己認識-自分自身を明確に説明する力-の重要性について述べられた本です。
それは、自分の視点で自分を理解する「内的自己認識」と、外から見える自分を理解する「外的自己認識」で構成されています。
内的自己認識は自分のことを考えること、主に自分に質問したり書き出していくことで見出すことができます。
ようは、時間さえあれば自分自身でできることです。
問題は外的自己認識。主観である自分に客観性は持てないので、どうあがいても誰かに聞くしかないわけです。
が、普通に生きていると、基本的にはみんな良い点も悪い点も指摘してくれません。
仕事の出来、不出来などの具体的な内容は、それらの指摘はあることでしょう。
ですが、行動、振る舞い、周りへの影響などについては、基本的には誰も伝えてくれません。
「あれ、よかったよ」みたいな感想はあるかもしれません。
ですが、特に悪い点については、だれも関係を悪くしたくないので、口に出して、本人に言うことはないでしょう。
そこで、そんな得難いフィードバックをもらう術について、本には書かれていました。
私は本にあることをとりあえずやってみるタイプなので、やってみたわけです。
■真実のディナー
では、具体的に何をしたかをお伝えします。
まぁ、簡単に言ってしまえば、いわゆる飲み会です。
本の中では『真実のディナー』という、ちょっと胡散臭い名前で紹介されています。
『親しい友人か、家族か、よき助言者──あなたのことをよく知っていて、あなたが関係を深めたいと思っている相手に連絡を取ろう。その人物を自分との食事に誘うのだ。その食事中に、あなたの一番嫌なところを尋ねてみよう。でもその前に、そんなことを聞く理由を伝え、踏み込んではいけない点などないこと、そして防衛的になったりせず、開かれた心と頭で耳を傾けるのみであることを告げよう。』
本書で『愛のある批判者』と定義される、正直者でありながらこちらのことを思ってくれる相手を選び、ご飯に誘います。
そして、フィードバックください、と言うわけです。
私は、その時にタイミングのあった『愛のある批判者』たちを飲み会に誘い、こう告げました。
「めんどくさい奴と思われたくはないけど、俺の悪いところのフィードバックが欲しい。もっとコーチングも人間関係も良くしたいのです。」
相手からすると面倒な申し出なので、言うのは勇気が必要でしたし、初めはなかなか悪い点は遠慮してか、言ってくれませんでした。
が、酒の力なのか、じょじょに素直な意見が出てきたのです。
ポジティブすぎてしんどい時がある、とか
物事をすぐに忘れる、とか
アクティブリスニングが演技臭い時がある、とか
他にもいろいろ。
なかなか、辛い内容もありました。
がそれ以上に目からうろこでためになるものです。
自分では絶対に気が付けないことですから。
そして、副次的に良いことがあります。
「この人は、何を言っても受け入れてくれるんだ。」
と思ってもらえることです。
Googleのアリストテレスプロジェクトでの研究結果で、良いチームは心理的安全性というものがあるということが分かりました。
単純に言えば、なんでもリスクなく行動や発言ができる、という関係性がある、ということです。
悪いことでも安心して指摘できる、というのは大きな心理的安全性です。
その心理的安全性があることを理解してもらえることも、大きなメリットだったように思います。
ようは、一度フィードバックを素直に受け入れるということをすれば、継続的にフィードバックをもらえる関係性を築くことになるということです。
自分を良くするには自分に向き合い、自分のことを考えることが必要です。
自分のことを考えるにあたって、結局考えるのは自分一人です。
誰かに相談したとしても、結局考えて頭を使い、なんらかの決断をするのは自分です。
ですが、その際に、自分以外の意見、客観的な情報を加えて考えることは、自己認識を高めるうえで重要なのです。
主観だけでは自分は見えない。
客観的な情報と主観的な情報を合わせる必要があるのです。
辛くとも楽しい、『真実のディナー』をあなたもどうでしょうか?
もっと詳しいフィードバックの得方は、本記事で紹介した本に書かれておりますので、興味がある方はご一読下さい。
(びっくりするほど長い本ですが…。)
★終わり★