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「なぜ」と「何」は大違い。より丁寧な検証には「何」を経て「なぜ」に到達する

みなさんこんにちは。

爽一郎です。

 

あなたはどんな質問をしますか?

と、質問から始めてみました。

質問はとても強力なツールです。

 

我々は日常的に質問を使います。

人に何かを問う時。

自分に対しても、原因を探る時や何かを思い起こす時。

そんな時「なぜ?」とか「何?」という質問はとても役に立ちます。

 

私はコーチングを行っているのですが、基本的にコーチングは質問で話を進めていきます。

クライアントに質問を投げかけ、クライアントに気付きを得てもらうことがコーチングだからです。

 

そんな質問において、人々はよく「なせそうしたのか?」というWHYの質問を使います。

が、質問は「何がそうさせたのか?」というWHATの質問のほうが効果的です。

それどころか、WHYを使いがちなのは、焦っているということなのです。

 

何が違うのかって?

今日はその違いについての話です。

 

■「なぜ」と「何?」の質問の違い

まず、「なぜ?」と「何?」の違いを説明したある本の一部を紹介します。
 

なぜと問うと、人は被害者のメンタリティになってしまうんです。だから永遠にセラピーへ通うことになる。心の平穏が乱されたとき、わたしは「何が起こってる?」と自分に声をかけます。「自分は何を感じてる?」。「自分のなかでどんな会話が繰り広げられてる?」。「どんな風にすれば、この状況を別の観点から眺められる?」。「よりよく対応するためには何ができる?」 

 

そのため内的自己認識においては、なぜではなく何というシンプルなツールが、かなり大きな効果をもたらし得る。

〜中略〜

「なぜ」の質問は自分を追いつめ、「何」の質問は自分の潜在的な可能性に目を向けさせてくれる。「なぜ」の質問はネガティブな感情を沸き起こし、「何」の質問は好奇心を引き出してくれる。「なぜ」の質問は自分を過去に閉じ込め、「何」の質問はよりよい未来を作り出す手助けをしてくれる。

 

『insight(インサイト)――いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力』より引用

 

つまり、「なぜ?」という質問は問い詰めるような質問形式であり、自分に問うた場合は自分のネガティブな面を原因においてしまいがちということ。

一方、「何?」という質問は自分の可能性を見出してくれる、ということ。

 

具体例がないと分かりにくいですね。

例えば、「会議がうまく進行できない」という悩みがあるとしましょう。

 

・なぜ会議がうまく進行できないと思いますか?

これは「なぜ?」の質問です。

なんか責められている雰囲気はします。

 

・会議をしているときに、何に難しさを感じますか?

これは、「何?」の質問です。

少し客観的に頭が働きそうな質問です。

 

イメージで語ってしまっていますが、どちらの方が事象に対して客観的に原因を考えやすいかと言えば、「何?」の質問の方ではないでしょうか。

 

■「なぜ?」を検証するために「何?」がある

質問になると、先ほど述べたように「なぜ?」より「何?」の方が答えやすい質問になります。

ですが、なぜ人は「なぜ?」の質問を使いがちなのでしょうか?(ここでもなぜ、を使ってしまいましたが。)

 

それは、最終的に知りたいことが、「何?」ではなく「なぜ?」だからです。

 

「なぜ?」の思考は大事です。

なぜなぜ分析なんていう言葉もあるぐらいです。

原因を探る思考ですからね。

 

結局、知りたいことは物事の原因であり、「なぜ?」なのです。

問題が起きた原因を知りたいのです。

会議がうまく進行できない原因を知りたいのです。

それは、端的に表せば「会議がうまく進行できないのはなぜ?」になるわけです。

ダイレクトに、原因を知りたい。

その思いをそのまま質問にすれば、「なぜ?」の質問になるわけです。

 

じゃあやっぱり「なぜ?」と聞くほうが、効果的なんじゃないの?

いや、私は、だからこそ「何?」の質問が必要と考えます。

「なぜ?」は原因の探り方をショートカットしようとして、サボっている方法だからです。

 

質問の方法を考えてみても、「なぜ?」はお手軽ですよね。

会議の進行がうまくいかないときは、会議の進行がうまくいかないのはなぜ?となぜをつけるだけで質問になります。

「何?」だと、「何」を表す物事を表現として付け加えないと、質問になりません。

先ほどの例では、会議を進行するうえで難しいと感じること、を付け加えないと「何?」の要素が出てきません。

 

「なぜ?」のようにダイレクトな原因調査ではなく、周辺の何かからヒントを得て原因を探っていくという聞き方が「何?」なのです。

そう考えると、「何?」の質問は回りくどく、面倒な質問の方法なのです。

 

ですが、だからこそ多角的な視点で原因を考えることができる質問でもあるのです。

 

人間は「なぜ?」をいきなり投げかけられると、前述の通り、自責になり、広い視点での本質から遠ざかります。

だから、「何?」重ねて「なぜ?」を浮き彫りにすることが、回りくどくとも真の原因を知る方法なのです。

 

急がば回れ、とはこのことですね。

 


★終わり★