みなさんこんにちは。
爽一郎です。
意志力とは案外役に立たないものです。
がんばる。気合で何とかする。モチベーションで乗り切る。
意志の力で、一時の成果は上がるかもしれませんん。
が、そんなものは継続して成果を挙げるためには当てにならないと私は思っています。
意志に頼らず、仕組みや環境を整えることで行動が成し遂げられるようにすべきなのです。
■疲れるだけで意志力はなくなる
意志力は、脆いものです。その日の気分で増減します。
疲れるだけで、容易に下がります。
家族でディズニーランドに行った際、それを改めて感じました。
妻は、ディズニーシーのSOARINGという新しいアトラクションに乗りたくて楽しみにしていました。
が、新しいアトラクションは当然ながら人気で、普通に乗ろうとすれば3時間以上並ぶ必要があります。
小さな子連れの我々にとって、3時間待ちは不可能です。
というわけで、妻は事前に計画しました。
特定のホテルに泊まると、パーク開園時間の15分前に先んじて入場することができます。
我々はそのホテルに泊まる予定だったので、開園の15分前である、7時45分に入場するため、朝早くから並ぼう!ということを妻は考えたのです。
とても妻はワクワクしているように見えました。
2泊3日でディズニーリゾートで遊ぶ我々は、3日目にその計画を実行することにしました。
が、子連れのディズニーランドは大変です。
楽しいけれど体力も消耗する。暑い日が続いたので、疲れが溜まってきました。
2日目が終了した時点で妻は疲れ果ててしまったのです。
2日目、寝る前に妻は言いました。
「明日SOARING乗る予定だったけど、なんかもう起きれたらでいいや。」
あんなに楽しみにしていた妻が、疲れによって意志力を断たれた瞬間に直面しました。
結局、次の日の朝、妻は少し悩んだ様子でしたが、私も乗りたかったので説得して一緒に行きました。
結果、行ってよかった、行かなかったら後悔してただろうなぁ、という感想を述べていました。
楽しいことですら、意志力は疲れるだけでくじかれるのです。
仕事、勉強、読書、家事。楽しめない要素が多いそれらを続けるための意志力など、さらにくじかれ易いことは想像に難くないでしょう。
■意志力ではなく自動的に行動できる仕組みを考える
行動するために、意志力は有効ではありません。
同様に何かを辞めたい、いわゆる依存についても同様です。
依存というものは意志で対策することは困難です。
依存というものに詳しいアダム・オルター氏は著書『僕らはそれに抵抗できない』で次のように述べています。
『つまり誘惑と対峙して勝とうとするよりも、そもそも誘惑の対象と向き合わないでいるほうが、依存症には陥りにくいのだ。ベトナム戦争中にヘロイン依存症になった兵士が、帰国して薬物を摂取する環境から逃れたことによって依存症と手を切れたのも、そういうわけだった。そして、だからこそ、誘惑を遠ざける環境を作ることが大切になる。習慣について研究する南カリフォルニア大学の心理学者ウェンディ・ウッドは次のように述べている。
「意志力を使うというのは(……)おいしそうなチョコチップクッキーを目の前にしながら、それを拒絶することです。一方、最初からそんなチョコチップクッキーをそばに置かないようにするのが、よい習慣です」
自制と意志力という組み合わせは、実のところとても弱い。』
つまり、依存は意志力による自制ではなく、目をそらすための工夫でやめられるようにする必要があるのです。
逆に何かを継続して習慣化することや、チャレンジをしようとするときも同様に意志力による自制を図るより、行動せざるを得ない工夫をするほうがよいのです。
ダイエットのためにお菓子を食べないようにするとしましょう。
そんな時、気合で食べないのではなく、他のノンカロリーのものに目を行かせるとか、そもそもお菓子を買えない、買うのがめんどくさくなるように無駄な金を持ち歩かないとか、そんな仕組みによる対策が必要なのです。
早起きしたいとしましょう。
睡魔や二度寝という気持ちよさには意志力は容易に打ち負かされます。
例えば5個の目覚ましをベッドルームから洗面所までの経路に配置して、止めながら洗面所まで自分を誘導して顔を洗わせるのです。
意志をコントロールするのではなく、行動をコントロールできるようにするのです。
自動的にその行動ができるようになる。
それが継続できる理想の形であり、完全な習慣としての定着なのです。
★終わり★