みなさんこんにちは。
爽一郎です。
人に勧められて、『妻語を学ぶ』という本を読みました。
男性脳と女性脳の違いから、男性にとっての女性の理不尽に見える行動の原理と、その際の男性がとるべき行動について、脳科学をもとに論理立てて書かれています。
内容自体が面白かったのは確かですが、私はこの本を読んで内容とは別のことを改めて感じました。
知識をつけることは楽しい、と。
■万人に合う方法なんて、ない
とにかく、『妻語を学ぶ』を読んで思い知らされたのは、「成果を出すための方法は人それぞれであり、画一的な方法などない」という現実です。
例えば、下記の一文。
『何かトラブルが起こったとき、その原因を客観的な立場で究明するのは男性脳の基本機能だ。一方、トラブルが起こったとき、つい被害者の気持ちになってしまうのが、女性脳の基本機能である。』
なお、私は感情はビジネスでは排除すべきと考えています。
『感情論で物事を進めるとどうなるでしょうか?
あの人が気に食わないから、あの人にこの嫌な仕事を渡そう。
あのベンダーが直感的に良さそうだから、あのベンダーに発注しよう。
理由は特にないが、ずっとやっていることだから、やらないと気持ち悪いので今日もこの作業をしよう。
これらが生産的ではないことは、火を見るように明らかです。
生産性を下げ、コストを増やし、損害をもたらします。』
それは、私が経験上、ビジネスで成果を出すために必要と考えるベストプラクティスなのです。
ですが、客観的な物事を捉えることより感情へ共感する機能が優位な女性にとっては、難しい面はあるのかもしれません。
少なくとも、男性脳よりはトレーニングが必要となるのでしょう。
社会は、歴史的経緯でみると男性が作ったものです。
だから、女性脳には適応が難しい部分がある。
(逆に家庭経済は女性中心で形作られたので、男性が適応しづらい部分があります。)
私はベストプラクティスと考えるものは、人によっては困難な道になる可能性もある。
なんとなくそれは思っていたものの、改めて論理的な説明を読むことで、事実を思い知らされたのです。
■答えがない世界だからこそ、ベストプラクティスを知るべし
私はコーチや上司という役割の時は、クライアントに答えを考えてもらった上で、必要があれば知っていることは(私が思う)ベストプラクティスを伝えます。
習慣の定着方法や仕事の進め方というものについて。
が、私が思うベストプラクティスは、伝えた相手にとってベストかどうかは別の話です。
そんなことを言うと元も子もないですが、答えがない世界です。
ただ、少しでも相談相手の状況に合いそうな例、似た例を知るために、知識を身に付ける。
引き出しの多さをと言うやつですね。
だから、答えが無いとしても伝える側には「答えっぽい例」を生み出す知識が必要です。
いろいろな人に適用できそうな引き出しの多さこそが、専門家と呼ばせる要素なのです。
また、試す側としても「どうせ私には合わない…」なんて考えずに試すのがよいです。
人それぞれなので、ベストプラクティスがそのまま適用できるかと言えば、そうでないこともあるでしょう。
教科書通りじゃ上手く行かないことは、確かにあります。
ですが、教科書が全て使えないということはありません。
まずやってみて、自分なりに教科書をカスタマイズすることが、知識を得て実践し、成長して行くということです。
『妻語を学ぶ』は直接的には女性特有の行動について説明した本です。
その直接的な内容とともに、多様な人へどう相対するかということへの気づきと、改めて知識を得ることの重要性を考えさせてくれた一冊でした。
こうして、知識を得るといろいろと考えます。
新たな世界を見せてくれます。
だから、知識を得ることは楽しい。
本を読むことは、楽しい。
★終わり★