こんにちは。
爽一郎です。
会社である研修が行われました。
その研修はグループワークや個人ワークを行い、どんな行動をとったかを元に、長所や短所をフィードバックされるというもの。
自分の良い点を悪い点を客観的に伝えてもらい、より業務遂行に向けた行動を磨くということが目的です。
その研修のフィードバックで、私は”悪い点”として下記のことをフィードバックされました。
「爽一郎さんは、”そこそこで良い”という感じて仕事をしています。
60点を求められたら、65点を取ろうとする。
80点や90点は目指さない。」
それを聞いたとき、正直、正しいフィードバックだと思いました。
私はむやみに全力を出さない事が、仕事で安定して成果を出す秘訣だと考えているからです。
そして、好きなことを仕事にしているわけではない、という点も”90点を目指さない”理由の一つとしてあります。
仕事が好きで好きでたまらない。
仕事がしたくてたまらない。
四六時中仕事のことを考えていたい。
そんな人は、100点どころか120点を目指して進むのでしょう。
いや、点数なんて考えず、自分のできることの追求をただただしているのかもしれません。
一方の私はと言えば、仕事の重圧からは逃れたいし、面倒なことがあればため息交じりに仕事をします。
それでも今の会社で働いているのは、社会との繋がりがないと何者でもないものになるのが怖いので仕事をしているだけなのかもしれません。
何かやってないと、怖し、お金も稼げなくなる。
そんなこんなで、仕事はすれど、仕事をそこまでがんばらないのが私の生き方ではあります。
研修では私の弱みとして、それがフィードバックされたのです。
もちろん、好きでもない仕事をしているからと言って、難しい業務から逃げているわけではありません。
自分の実力を活かして成果をあげられれば、欲求を満たせて嬉しいですし、チャレンジはします。
また、難しいこと成し遂げるには、いろいろと試すことになります。
本で読んだこと、人から聞いたこと。
そういったことを試し、自分なりのノウハウができていくことに充実感を感じます。
ブログのネタにもなりますし。
ただ、そんな難しいことを楽しそうにする人々。
それが、好きなことを仕事にしている人なんだろうな、と思います。
はたからみれば辛いことでも、楽しそうに行う。
だからこそ、結果的に120点が取れる。
それが凡人と非凡な人のアウトプットをわけるもなのだと思うのです。
■仕事が好きでない人なりの働き方がある
前述の通り、私には好きを仕事にすることはできません。
起業すればそりゃあできるのでしょうが、そのリスクをとれず企業勤めをしています。
ホリエモンが言うように、「24時間をわくわくで埋め尽くす」ようなことをができる人はどれだけいるでしょうか。
リスクをとる覚悟と、運と、実力がある一握りの人だけが、そんな”仕事を選ぶ側”の生き方ができるように思います。
そうでない凡人は、凡人としての働き方がある。
それは、がんばらなくても成果がでるようにする、ということです。
モチベーションを高く保ったり、楽しく仕事をする。
そんなエネルギーが発生しづらい大多数の凡人にとって、がんばらなくても成果を出せる、という観点は大事です。
残業しないように、全力で頑張らなくてもよいように。
本業が好きでもないからこそ、プライベートや副業に当てる時間を安定して捻出できるようにする。
もちろん、私のような人間は、嬉々として仕事する人に比べるとイノベーションを起こす確率は低いでしょう。
なんてったって65点しか目指さないのですから。
エネルギーのかけ方が違う。
ですが、そもそもイノベーションなんてのは狙って起こせるものではありません。
『スティーブ・ジョブズは、記者から「あなたはどうやってイノベーションを体系化したのですか?」と聞かれて、「そんなことはしちゃダメだ」と即答していますが、僕もそうだと思います。 経営学の教科書とは逆に、人文科学全般の、あるいは自然科学における過去の大発見の過程は、イノベーションそのものをマネージすることはできない、ということを示唆しています。 イノベーションが起こりやすい組織をマネージによって生み出すことはできますが、イノベーションというのは花のようなもので、それ自体を人為的に生み出すことはできないのです。』
ならば、好きでなくても、凡人なりに仕事へ向き合えばよい。
自分の価値を感じることを続ければ、イノベーションだって偶然起きるかもしれない。
モチベーションに左右されずに無理なく継続して成果が出せる。
これが凡人なりの働き方なのだと思うのです。
■認知資源を節約する
私は、残業が嫌いです。
仕事が大好きで昼夜問わず働きたい、という欲求があるわけでもない私にとっては、残業は辛いものです。
残業しないために、徹底して取り組んできました。
タスク管理によって、時間の使い方をコントロールする。
マネジメントによって、自分以外の人に仕事をしてもらう。
そういうスキルは、突き詰めれば残業しないために身に着けたものです。
無理なく継続して成果を出すためには、残業をせずに成果を出すことだと考えています。
いや、残業したほうが、仕事に向き合う時間が増えるから成果でるでしよ?
そう思うかもしれません。
ただ、それは間違いです。
認知資源という言葉があります。
過去、私は下記の記事でBP(ブレインポイント)と表現しました。
頭を使う、意思決定をする。
そんな活動によって”脳みその体力”=BPであり認知資源は減っていきます。
認知資源が枯渇した状態で考えることを続けようとしても、クオリティは下がります。
体力限界で走り続けることと同じですから、いつか力尽きて精神的な病になってしまいます。
仕事が好きな人々は、残業し続けても、プライベートで使う認知資源を全てに仕事に回すことだってできるでしょう。
スティーブ・ジョブズ氏やマーク・ザッカーバーグ氏などの世界的リーダーたちが、認知資源の節約のために同じ服ばかり着ているという話は有名ですね。
『「僕は社会への貢献に関係しない決断はできるだけ下さないようにしている。実はこれは多くの心理学的な理論に基づいていることで、何を食べるか、何を着るかなどのたとえ小さな決断でも、繰り返し行っているとエネルギーを消費してしまうんだ。日々の生活の小さな物事にエネルギーを注いでしまうと、僕は自分の仕事をしていないように感じてしまう。最高のサービスを提供して、10億人以上もの人々を繋げることこそ、僕のすべきことなんだ。ちょっとおかしく聞こえるかもしれないけど、それがぼくの理由だよ」』
マーク・ザッカーバーグ
ただ、私のような人間は、プライベートにも副業にも頭を使いたいのです。そうでなければ、ストレスがたまります。
仕事に全てを捧げているわけではない人にとって、安定した成果を出し続けるためには、残業を減らし、認知資源を使う回数や時間自体を一定内に収めるということが重要なのです。
単純な話で、忙しくなると、クオリティが下がります。
残業しない余裕があれば、クオリティを保つことができるのです。
■明日の自分のために時間を使う
凡人は何かを犠牲にしない限り、認知資源を仕事に割り振れる量も、かけられる時間も限られています。
凡人なりの安定した働き方のために、残業を減らすためには何をすべきでしょうか。
これは、有名な本である『7つの習慣』に答えがあります。
日々のタスクを緊急度と重要度の4象限で分け、『緊急ではなく重要なこと』に時間を割くことが最も重要であるとその本では述べています。
この、緊急ではなく重要なこと、こそが明日の自分を助けるための業務なのです。
例えば、案件の棚卸し。
3ヶ月先、半年先に何が待っているかを確認し、将来の自分が残業しなくて良いようにスケジュール調整や外部委託を行う。
例えば、リスク管理。
プロジェクトにおいて、将来起きるかもしれないリスクを洗い出し、対策を検討しておく。
例えば、ルール化。
同じような作業が継続して発生しそうならば、自分でやり続けるのではなく、他の人ができるようにルール化しておく。
こういった将来の自分を助けるための仕事が、凡人が継続して成果を出す秘訣です。
■余裕がある時の時間の使い方が最重要
緊急なことばかりが目の前にある時には、”緊急でなく重要なこと”に手を取れないかもしれません。
そこから考えると、緊急なことが少ない、余裕がある時にいかに重要なことをするかにかかっています。
時間、お金、精神的余裕。
行動学者のセンディル・ムッライナタン氏はそれらをスラックを呼びました。
スラックがなくなると欠乏状態となり、いろいろなことを取捨選択しなければならなくなります。
その結果、考えることが多くなって認知資源が使われ、処理能力が下がってしまうのです。
『負荷をかけられると、少ない心的資源でなんとかやっていかなくてはならない。人は欠乏のせいで莫大な借金を抱えたり、投資しそこねたりするだけではない。生活のほかの面でもハンディキャップを負うことになる。まぬけになる。衝動的になる。使える処理能力が減り、少ない流動性知能と実行制御力で、なんとかやっていかなくてはならない──生きるのはさらに大変になる。』
スラックがある時に、将来自分が苦しまないために何をしておけるか。
余裕があるときにどれだけ未来の自分に備えられるか。
お金と違って時間は貯めておけません。
ですが、将来のために時間を投資することはできます。
毎日、明日の自分に余裕を作るために時間を投資する。
そうして、余裕がある状態を継続させる。
それが、安定した成果をあげ続けるために必要なことなのです。
★終わり★