凡人が成果を出すための習慣

残業ゼロで成果を出すには、どうしましょうか?

『出版禁止』を読んで知識が本を面白くするということを再認識した

こんにちは。

爽一郎です。

 

ゴールデンウィーク前、コロナ騒ぎで仕事で忙しかった時。

妻から

「疲れてるんなら小難しそうな本ばっかり本でないで、小説でも読めば?」

と言われ、本を紹介されました。

 

『出版禁止 』という本です。

これが、とても面白い小説でした。

ミステリー小説です。

 

取材記事っぽい内容で、実際は小説という不思議な作品です。

いわゆる、最終的にどんでん返しがあるタイプの話。

 

で、これの何が面白いかと言えば、読んだ後です。

読んだ後に「え?これってこんな話だったの!?」となるのです。

そうして読み返してしまう。

 

これほど、1度目と2度目の読書で、捉え方が変わる小説は初めてでした。

同じ本なのに。

 

予備知識があると、同じものでも見方が変わる

それを思い知らされた本だったのです。

 

■意識によって物の見方はか変わる

出版禁止は、一冊の本を最後まで読むことで知識が補完され、2回目に読むと違う印象になる、という本でした。

その作りは、とても素晴らしい。

そんな映画もよくありますよね。私は『ツーリスト』という映画がそんな映画の中では好きです。

どんでん返し系の本や映画はそういう仕組みがあります。

考える人は凄いなあ、と思うのです。

 

同じ内容なのに、2度目に読んだり見たときには得られる内容が変わる。

つまり、何かを知ってる状態で触れると、得られる情報が違う。

 

この感覚を、自己啓発本でも感じることはあります。

ただ、いわゆる自己啓発本ではエンターテインメント作品とは異なる部分はあります。

前述の小説や映画は1つの作品を見ることで、次にその作品を見る際に感じ方が変わる「予備知識」を得られる。

それに対し、自己啓発本でさらなる発見をするための「予備知識」は、他の本で補う必要があるのです。

 

いわゆる、難しい本。

難しいという理由には書き方が回りくどいとか、専門的な本であるとか、いくつかあると思います。

ただ、最も大きな理由は「予備知識がないと理解が難しい」と言うことだと私は思っています。

先ほど述べた「専門的な本だから難しい」という理由も、ようはその分野の予備知識がないと読んでも理解できない、ということです。

 

有名な本を例に挙げましょう。

7つの習慣

 

とても有名な、マインド系の自己啓発本です。

良いことは書いてあるのですが、一読しただけではなかなか表面的にしか良さは理解できず、私は行動にまでは移せませんでした。

が、マネジメント系の本や、コーチング系の本を読んだ後に読むと、それらの知識が理解を助けてくれて、自分なりの行動の移し方が見えてきたのです。

これは、1度目に読んだ時よりも、私に予備知識が付いたことによって、7つの習慣から得られる内容が変わったということなのです。

 

もう一つ、有名な本を例に挙げます。

『プロフェッショナルの条件』

 

これまた難しい本です。

ドラッカーの本は、全体的に言い回しが回りくどい。

もちろん、そのような新しい意味における知識とは、効用としての知識、すなわち社会的、経済的成果を実現するための手段としての知識である。この変化は、それが望ましいかどうかは別として、もはや元に戻すことのできない一つの変化、すなわち知識を知識に適用した結果である。

 

こんな文章が延々続くのです。

初めに読んだときは、途中で挫折しました。眠たくなる。

ですが、人間の脳のバイアスについての本や、行動分析学的な本を読んだ後で読むと、とても理にかなっているセルフマネジメントの原則が書かれています。

予備知識を持って読むと、回りくどい文章の中にとても感銘を受ける分が見つかってくるのです。

ドラッカーは非常に博学だったので、彼の言うことを真に理解するには予備知識がいるのかもしれません。

私も、他の知識がついてから読めば、さらなる発見がある本なのだろう、と思います。

 

過去こんな記事を書きました。

bonzinkun.hatenablog.com

 

本を複数読んでいると、これまで得た知識によって、他の本の知識と相乗効果を及ぼすことがあります。

私が、自己啓発系の本を読む時に思うことがあります。

それぞれの本は全く別の人が書いた別の内容でも、考え方がリンクしていることが多いのです。

あたかも、一つの作品のスピンオフストーリーがそれぞれの本に描かれているかのごとく。

 

本と本はリンクしているように感じる。

これは、ある本のくれた予備知識が、ある本の知識とつながっているように感じる。

正直私は、「あの本を読むために、予備知識がいるからこの本を読む」というような勉強めいた本のチョイスはしていません。

ただただ、読みたい本や人から勧められた本を読んでいます。

ですが、何冊も読んでいると知識の相乗効果、というものはやはり実感するのです。

同じ本でも、予備知識がある状態で読む本は、明らかに得られる内容が違ってきます。

 

これは、カラーバス効果と呼ばれるものです。

makitani.net

 

「今日、赤いものをいくつ見ましたか?」

と聞いても答えられる人はいないでしょう。

ですが、

「今日これから、赤いものを数えてね」

と言えば赤いものを意識的に見ることになります。

 

同じ日常でも、赤いものに意識が集中し、赤いものがいつもよりも目に入るようになる。

人間の五感からは大量の情報が入ってきます。脳はそのインプット情報を全て処理することはできないので、意識によってフィルタをかけるのです。

そうして、意識したモノだけがクローズアップされ、脳で理解される。

 

これがカラーバス効果です。

 

本を読む際にも予備知識、つまり「知っている情報に関連する情報」があると、カラーバス効果で脳がその情報を拾います。

そんな情報が増えれば、同じ本だとしても得られることは増えるし、得られることも変わるのです。

 

難しい本だなぁ、なんて思う時は、他の本を読んでから、数か月もしくは数年あけて読むと違う印象になるかもしれません。

少なくとも私は、そんな経験を何度かしているのです。

この自粛生活なので、いつもと違った本を読んで、予備知識を増やすのも良いのでは?と思います。

 

 

★終わり★