みなさんこんにちは。
爽一郎です。
先日、海外出張をしました。
その際に、現地でとても良いチームを見たのです。
それは日本人をリーダーとした数人のチームでした。
会話の端々からうかがえる、強い信頼関係。
なんでも、悪いことですらお互いに言い合える関係。
私は夕食もそのチームと取りましたが、雑談ですらじゃれあっているかのような仲良さ。
褒め合うし、悪い点は指摘し合う。
実際、そのチームは成果を出しており、評判が良いのです。
チーム力が高い、と言えるでしょう。
それはなぜかなぁ、なんて帰りの飛行機で考えていました。
■海外で信頼関係が構築される理由
私は海外で働いた経験はありません。
出張でたまに海外へ行くぐらいです。
よって、海外勤務者の意見というものがわかりません。
そこで、海外勤務経験がある人間に、今回の出張で見た良いチームについての感想をもらったのです。
「海外では、右も左も分からないところで、かつ責任も日本よりも重くなる。
そんな中で働くと、周りに頼らざるを得ないから、強い信頼関係が生まれるんだと思う。」
その人は、そう答えました。
「日本ではなかなかそういう関係は作れず、海外で培った人間関係は特別で、強いものになる。」
そうも言っていました。
確かに、私のいる会社では海外出向すると役職が上になり、大きな責任を持つことになることが多いようです。
多くの場合、立場は日本にいるときよりぐっと上がる。
だから、海外出向した人はみんな迷うし、新しい環境や責任に戸惑う。
文化の違いもあります。言葉の壁もあります。
他の日本人出向者と頼りあったり、現地メンバーに助けを乞うことになり、信頼感が高まるのかもしれません。
また、助けを乞うと、相手に報いようとします。結果的に自分も成果を出そうとチャレンジすることとなり、相手からも信頼されるのでしょう。
■日本ではそういうチームは作れないの?
私はなるほど、と思いながらも
「日本ではなかなかそういう人間関係が作れない」
と言われた点には違和感を持ちました。
もしそうなら、日本では良いチームが作れないということになってしまいます。
よって、何が海外のチームを良いものにたらしめているのかを、もう少し見出したいと思いました。
最近読んだ、チーム作りに関する本に、こんな一節があります。
『まずは認識することから始まる。もし人々が、仕事を成し遂げるにあたり自分がほかの人たちと相互依存していることに気づかなければ、チーミングは始まらないのだ。調整する必要性を認識すると、部署がそれぞれ独立しているにもかかわらず、コミュニケーションを図ることが自然になる。仕事の成功のために協力する必要のある相手のところへ話をしに行き、これによって、それぞれの作業を調整する方法についての会話が──ごく短いものであることもしばしばだが──始まる。次に、相互依存の流れが生まれ、フィードバックや省察が続く。これは単に互いの貢献を認めるだけで終わるかもしれないし、あるいは仕事がもっとスムーズに進むよう何か変化を提案することもある。練習すれば、チーミングの考え方が多少なりとも習慣になり、チーミングの流れのスタートである認識のステップが意識することなく自然に始まるようになる。』
ようは、良いチームを作るにはまずはチームメンバーが相互依存しているということを理解する必要がある、と述べています。
メンバー同士が、リーダーとメンバーが、お互いに相手の協力が必要と理解すれば、情報を交換するようになるしコミュニケーションも増える。
相互依存が、良いチームの出発点であるということなのです。
また、その本には相互依存についてこうも書かれています。
『また、リーダーは、実行するための組織づくりの特徴であるトップダウンの高圧的な管理スタイルを避けつつ、メンバーがまずは相互依存していることを認識し、その後、チーミングとそれに伴う学習のための資源を求めたり提供したりするよう手助けしなければならない。
〜中略〜
新たな技術やサービスを導入するには新しい手順を開発しなければならず、チーミングと学習が必要になるが、前述の例からわかるとおり、指揮統制のアプローチではチーミングや学習を生み出すことはできない。いや実際、成功を手に入れようと思うリーダーは、自分と他のメンバーが相互依存の関係にあることをみずから実感していると伝え、自分も間違う場合があるということを述べ、協働する必要性をはっきり示さなければならないのだ。』
リーダーがひたすらトップダウンで指示を出し続ける。
なんでもできてしまうリーダー、ただただ命令のみを行うリーダーは、メンバーからすると貢献感がありません。
依存されている、という感覚がないですから。
リーダーはメンバーに頼らねばならないのです。
もしくは、優秀なメンバーが一人で仕事をしている。
これは成果は出るかもしれませんが、チームとしての成果ではありません。
その優秀なメンバーも、リーダーも、他のメンバーと協働すればもっと高い成果がでるかもしれないのに…。
メンバーが何を困っているか、うまく進めるために手助けできることはないか。
それをリーダー自身が引き出さないと、優秀なメンバーとの相互依存は生まれません。
メンバーから困り事を聞く。
メンバーの困り事解決を助ける。
メンバーを頼り、感謝する。
自立的に動く部下を育てるという類の本はたくさん出版されています。
書かれているのは、メンバーをよく観察して、メンバーに権限移譲し、メンバーに任せることが大事と言うことです。
リーダーが動くべきでないことを把握し、適切に依存しあう。
チームには相互依存が必要であり、それが良いチームを作る根本となるものなのです。
★終わり★