凡人が成果を出すための習慣

残業ゼロで成果を出すには、どうしましょうか?

継続的な成果を生むものは、真摯さである

みなさんこんにちは。

爽一郎です。

 

私は「真摯」という言葉がめっちゃ好きなのです。

良く、成果に対して真摯であれ、とか真摯なマネジメントを、なんて私は言います。

まぁ、マネジメントの父たるピーター・ドラッカー氏の言葉でもあるので、その影響であることは大きいです。

とは言え、昔から真面目とか正直とか、そういう言葉は好きでした。

 

ラグビーワールドカップで見えたもの

先日、あるトークセッションを拝見しました。

その中で「真摯」という言葉が出てきました。

 

2019年のラグビーワールドカップで日本は決勝リーグへ進出し、ベスト8入りするという快挙を遂げました。

そのラグビーフットボール協会のコーチングディレクターという役職で活躍されている、中竹竜二氏のトークセッションです。

ラグビーについて、私はいわゆる「にわかファン」の粋にも達していない素人です。

が、中竹氏はリーダー育成を行う企業の代表取締でもあり興味があったのと、ちょうどよい機会があったのでそのトークセッションを観客席から眺めていました。

3000人ぐらい入るホールでのセッションでした。

他にもラグビー日本代表田中史朗氏や、ドラマ「ノーサイド・ゲーム」に出演していた廣瀬俊朗氏も参加するセッションということもあり、満席でした。

大人気。

 

そのセッションの中で、

「今回のワールドカップで躍進できたのは、どういった理由だと思いますか?」

というような質問がありました。

その回答で、中竹氏が「真摯さ」という言葉を挙げていました。

 

ラグビーフットボール協会では、ラグビー憲章として5つの言葉を大事にしているとのことです。

その中の筆頭に「品位(Integrity)」があり、それを念頭にワンチームで真摯に向き合ってきたからだと中竹氏は述べていました。

(多少曖昧な記憶ではありますが、大体そんな感じでした。)

Integrityは、「品位」の他、日本語では「真摯さ」とも訳されます。

 

また、中竹氏こうも述べていました。

一時の成果はずる賢さでも出せる。しかし、継続的な成果は真摯な対応が必須であると。

 

なんとなく中竹氏の言うことはその通りであると思いつつも、私は、真摯さについて改めて考える機会だと思いました。

自分の好きな言葉なのですから、なぜ好きでなぜそれが必要であるかは、理解したかったのです。

 

■成果をただ追及することが真摯さではない

その前に、真摯さとはなんでしょうか。

英語では先ほども言ったようにIntegrity。

辞書では、まじめて、ひたむきなさま。

個人で言えば、徳が高い、というやつでしょうか。

 

逆に、真摯じゃないってどういうの?と考えたほうがイメージしやすいのかもしれません。

・自分のことだけを考える人

・人を蹴落とす、人をただ利用するだけの人

・騙すなどして戦うずるい人

 

上記のようなことをせずにひたむきに成果に向き合うことが、真摯さではないかと私は思っています。

 

ですが、成果にただただ忠実なだけであれば、真摯さは必ずしも必要ではありません。

真摯さなんてなくても成功するという例はあります。

 

『お金持ちになるゲーム』というゲームについてのツイートが、過去話題になりました。

 

非常に面白い内容なので、是非ご一読いただきたいです。

趣旨としては、

「Cさんは皆をだまし、ずるく振る舞うことで、ゲームの勝者となった」

という内容です。

まさに、真摯さなんてなくても成功するというパターンですね。

 

ツイート内では、常識に縛られない行動が成果を生む、という教訓として書かれています。

実際Cさんはとても頭の切れる人でしょう。

 

ですが、Cさんはその後一目置かれるとともに「人をだます奴」というレッテルも張られることでしょう。

そんな人と一緒に仕事をしたい人がいるでしょうか。

同じ会社の同じチームならば心強いかも?そうかもしれません。

ではビジネスパートナーとしては?

利害関係が発生する関係としては?

 

私なら、警戒してしまいます。

 

これは、ずるがしこい、真摯ではない行動は信頼関係が構築できないということを表していると思います。

 

■ただの良い人も真摯と言うわけではない

では、ずる賢さは封印して、自分の成果よりも他人を優先して生き続けることが良いのか。

それはまた、真摯では無いように思えます。

単なる自己奉仕は自己犠牲であり、継続的な成果を挙げられない、ある意味「考えの浅い」行為だからです。

 

『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』という本で、人から搾取しようとする人をテイカー、人に与えようとする人をギバーとしてそれを説明しています。

 

 

人々の収入と、その人がギバーであるかテイカーであるかを研究した結果、下記が分かったと言います。

ギバーが最も収入は低く、テイカーのほうが多い。

要するに、テイカーとしてずる賢く振る舞い、人から搾取する人のほうが、ギバーよりも高収入ということです。

ギバーの方が、与える人なので徳が高そうだし、真摯さはありそうですよね。でも、テイカーの方が経済的成功を収めているのです。

が、興味深いのは、テイカーよりも収入が多い人々は、またもギバーなのです。

先ほどのゲームの例でもあるように、テイカーは一時的な成果は上げることはできます。ですが、信頼関係がないので次第に成果は下がっていきます。

逆を言えば、継続して人に与え続けられるギバーが、テイカーを上回る成果を挙げるのです。

それが、低収入のギバーと、高収入のギバーを分かつものです。

 

つまり、自己犠牲的に与え続けてもテイカーに搾取されてしまうだけ。

自己奉仕的に継続的に自分が与えられるものを与えることこそが、本当の真摯さであり成功するギバーなのです。

 

継続的に、疲弊せずに与えることができる。

それがポイントなのです。

 

辛いけど、自分がやってしまえばいい、そんな考えは自己犠牲です。

それは継続することはできません。

私はその行動は真摯ではないと考えます。

 

持続可能な継続した成果のため、人々のために徳の高い行いをする。

決して自己犠牲ではなく、持続可能な振る舞いをし続ける。

ラグビーフットボール協会は一貫してこの品位を貫いたのです。

そして、2019に大きな成果に結びついた。

少なくともコーチングディレクターの中竹氏はそう語っていたのだと思います。

 

 

ずる賢くては信頼関係が構築できないので、長期的な成果は挙がりません。

かと言って、単純に良い人であっても、搾取されるだけで成果は挙がりません。

自分が継続的にできる、人のためになる行いをする。

これが、信頼関係を生み、継続的な成果を生む真摯さだと思うのです。

 

 

★終わり★