みなさんこんにちは。
爽一郎です。
私は時に、「この人ともっと仕事がしたい!」と思うときがあります。
その人たちは、有能で仕事ができる人ではあります。
ですが、仕事ができる、という以外に大きな特徴を持っています。
それは、私が感情的に「一緒に何かをしたい」と思えるということです。
まぁ、言ってしまえば仕事ができるという論理的な理由以外に、人として好感が持てるということですね。
■論理性より感情が先行したお話
とある協力会社の方と仕事をしていました。
いろいろあって、その方の月あたりの単価が上がることになりました。
その方は非常に優秀なので、それは当然の結果かもしれません。資本主義ですから、良いものにはそれ相当の価値・価格があります。
単価が上がるということは、会社が支払うお金が増えるということです。
もちろん上司は、なぜ委託する業務は今までと同じ内容なのに、価格が上がるのかと詰め寄ってきます。
私は必死に考えました。その方を残す方法を。
その時、私は彼を自分の業務継続のために残したいという気持ちはある一方で、「一緒に仕事をしたい」という非論理的な理由が前に出ていたことに気がついたのです。
まぁ、いろいろ頑張ってその方は継続することができました。
業務継続のことをだけを考えれば、以前の彼と同じ単価で別の人を当てればよいはずでした。
にもかかわらず、私はその時にとてもエネルギーをかけ、彼と一緒に仕事ができる方法を探したのです。
おそらく、そこにあったのは感情だったと思います。
話しやすい、仕事がしやすい。Googleの言う心理的安全性があるというやつかもしれません。
■論理+人間関係への配慮 これが最強
私はビジネスの意志決定は論理的に行うべきであり、感情を持ち込むべきではないと考えています。
が、人間は感情の生き物です。
人が人とかかわって成果を出す場において、感情への配慮が無ければ殺伐とした環境になり、結果的に成果は出ません。
そこで、感情というものにも論理的に配慮する、という一見訳の分からない結論に至りました。
ようは、ビジネスは成果を数字で判断しなきゃいけないけど、人の生産性を上げるには数字で表しにくい人間関係の雰囲気に目を向けないとだめよ、ということです。
論理的には複数のベンダーから見積もりをもらって比較し、公平は目線で数値的に判断すべきでしょう。
が、毎回そんなことやってられっか!というのもその通りです。その通りにすべきか否かは規模にもよるでしょう。
実際、ルールのない曖昧な状況においては、結局は話しやすい営業に新規案件の話は真っ先に話してしまうものです。
そんな感情に左右される人々が回している社会において、感情に作用させて「この人と仕事したい!」と思わせることができるなら。
それはビジネスチャンスが大量に寄ってくる人なのだと思います。
つまりは、優秀さとは仕事ができるという論理的優秀さと、人間関係に配慮した感情的優秀さがあり、両方を兼ね備えた人が最強なのです。
■与えることが、最強への道
そんな最強な人ってどんな人なのでしょう?
その一つの答えが、『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』という本に書かれていました。
その本の趣旨を簡単に説明すると、下記です。
・この世には3種類の人がいる
自分が得るよりも多くを与えるギバー
ひたすら自分の利益のために搾取するテイカー
そのバランスを取ろうとするマッチャー
・テイカーは短期的な成果は上がるが、長期的にはギバーこそが成功する
そのうえで、一時の成功を収めても後に不幸になる天才たちの例を挙げ、能力が高い人ほどテイカーになりがちということを述べています。
『スタンフォード大学の心理学者らの研究によれば、アメリカ人は独立を強さの象徴、頼り合うことを弱さの印と考えるという。これはとくにテイカーに当てはまり、テイカーは、自分がほかの人より優れていて、別格の存在だと考える傾向がある。だから他人に頼りすぎると、守りが甘くなってライバルに潰されてしまうと思っているのだ。ライトと同様に、成功をともにしたチームを連れずに投資銀行を去ったスターアナリストは、この罠に陥ったのである。
ギバーは、頼り合うことが弱さだとは考えない。それよりも、頼り合うことは強さの源であり、多くの人びとのスキルをより大きな利益のために活用する手段だと考えている。』
天才は自分の能力に自信があり、自分の力で成果を上げます。
そしてその成果に自信を持つ。
その成果にさらに人が集まる。
成功は雪だるま式で一時的な成果は上がります。
ですが、人間関係に配慮しないので、ある段階で周りから見放されます。
それが、不幸になる天才の正体なのです。
論理性だけを追求すると、メリットがあるかないか分からない先を見た人間関係はおざなりになります。
ビジネスは論理性だけ、数字だけ見て成果さえ出してりゃ良い、というのはこんな危険性があるということです。
先ほどお話しした、単価が上がった彼は、私に金銭的価値以上の成果をもたらしてくれましたし、いろいろな有用な情報も与えてくれました。
彼は私にとってギバーだったと言えます。
だからこそ、感情的に一緒に働きたいと思ったのだろうと、思っています。
そして、『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』によるとギバーはあくまでも損得勘定で動いているわけではありません。
本書にでてくるギバーの例は、人間関係を育てておいて後で見返りをもらおう、という人たちではないのです。
あくまでも、「みんながよりよくすごせるために」と行った本人のビジョンに従って行動した結果、ギバーとなっていると言います。
損得勘定抜きで自分が与えられるものを与えることができる。
そんな人に私はなりたいし、そんな人が増えればいいなと思います。
★終わり★